借金が膨れ上がり、自身の収入ではどうにもならなくなった場合、債務整理の検討が必要です。
しかし債務整理を実行したことがないと、どの種類の方法を選べばよいかわからず、不安を抱える方も多いでしょう。
債務整理には4つの種類があり、それぞれに特徴があるため、自身に最適なものを検討する必要があります。
この記事では、債務整理の種類やメリット、デメリットなどについてまとめました。
借金を返済する余裕がなく、債務整理を検討している方は、本記事を読んで自身に合った方法を選択しましょう。
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任意整理 | 1社22,000円〜 | 1社22,000円〜 | 1社22,000円〜 | 1社22,000円〜 | 1社55,000円〜 | 1社22,000円〜 | 1社22,000円〜 |
減額報酬 | 返還額の11% | 返還額の11% | 返還額の11% | 返還額の11% | 返還額の22% | 返還額の11% | 返還額の11% |
個人再生 | 495,000円〜 | 385,000円〜 | 385,000円〜 | 330,000円〜 | 要相談 | 330,000円〜 | 住宅なしの場合 330,000円〜※1 |
自己破産 | 385,000円〜 | 330,000円〜 | 330,000円〜 | 220,000円〜 | 要相談 | 220,000円〜 | 330,000円〜 |
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債務整理とは?
債務整理とは、自身の借金の元本減額や利息のカットなどをおこない、借金問題を解決する公的制度です。
国が提供している制度であり、違法ではありません。
債務整理には4つの種類があり、どの手続きを実行するのかによって、減額できる元本や利息の金額が異なります。
現在借金問題を抱えており、自身の力で返済できず困っている方は、債務整理を検討してみてください。
債務整理の4つの種類
債務整理の種類は、次の4つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
一つずつ解説します。
任意整理
任意整理とは、お金を借りている業者、クレジットカード会社に対し、利息のカットや支払い回数などについて交渉し、完済しやすくする手続きです。
過払い金があれば元本から減額できますが、基本的に利息のカットにとどまります。
借金の元本を減額したい場合は、他の債務整理を検討しましょう。
また、利息のカットだけでなく、支払い回数も交渉できます。
基本的には、3〜5年で返済する計画を立てる必要があり、毎月の返済が追いつかない方にとって有効な方法です。
個人再生
個人再生とは、借金を大幅に減額する手続きです。
裁判所に個人再生の手続きが認可されると、大幅に借金が減額され、決められた金額を返済すれば、残りの借金に対する支払い義務がなくなります。
5分の1ほどに減額できる場合が多く、返済の負担を軽くした状態で、返済計画を立てられる点がメリットです。
任意整理の場合は、利息のカットにとどまり、元本を減額できないため、借金額が大きく、利息のカットでは完済できない方におすすめできます。
また、債務整理の種類によっては価値のある財産を差し押さえられる場合もありますが、車や住宅ローンが残っている住宅を、手元に残したまま手続きできる点も特徴です。
自己破産
自己破産とは、自身の借金の返済義務が免除される手続きです。
債務整理の中で、借金の支払い義務が免除される手続きは自己破産のみのため、魅力的に感じる方も多いでしょう。
しかし、効力が大きい分、次のようなデメリットもあります。
- 対象の財産が差し押さえられる
- 金融事故として記録される
- 特定の職業に就けない
とくに、対象の財産が差し押さえられる点は、自己破産の大きなデメリットです。
住宅や自動車、生命保険などの財産が差し押さえられるため、家族がいる場合、不自由な思いをさせる可能性があります。
自己破産をする際は、支払い義務がなくなるからといって安易におこなわず、慎重に検討してみてください。
特定調停
特定調停とは、金利を引き下げて再計算し、借金を減額する手続きです。
任意整理は、債務者が債権者に対して和解交渉をおこなう仕組みですが、特定調停の場合は、裁判所が債務者と債権者の和解を仲介する仕組みです。
特定調停の場合、基本的に自身が債権者と交渉する必要があるため、手続きが完了するまでに多くの時間を費やす必要があります。
任意整理の場合は、弁護士に依頼して多くの作業を代行でき、手続き完了までの時間を短縮できます。
しかし、時間はかかるものの、費用が安い点はメリットです。
1社につき500円程度で手続きできることから、債務整理に高額なお金を準備できない方に向いています。
債務整理の種類別のメリット・デメリット
任意整理の種類には、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらも把握したうえで、自身に最適な手続きを実行しましょう。
任意整理のメリット・デメリット
任意整理のメリット、デメリットは次のとおりです。
メリット | ・利息をカットできる ・過払い金が戻ってくる ・財産を手元に残せる |
デメリット | ・金融事故として記録される ・弁護士費用がかかる ・和解できない場合がある |
任意整理を実行すると、支払う利息をカットでき、返済の負担を軽減しつつ完済に近づけます。
また、過払い金がある場合は戻ってくるため、返済の負担をさらに軽減できます。
一方、金融事故として記録される点はデメリットです。
クレジットカードの申し込みや、各種ローンの審査などに通過できないため、任意整理後の申し込みを検討している方は、注意しましょう。
さらに、債権者によっては和解できない場合もあります。必ず債権者が和解に応じるとは限らないと把握しておきましょう。
個人再生のメリット・デメリット
個人再生のメリット、デメリットを表にまとめました。
メリット | ・借金を大幅に減額できる ・住宅を手元に残せる ・車を手元に残せる |
デメリット | ・金融事故として記録される ・弁護士費用がかかる ・保証人に請求がいく |
個人再生は、借金を5分の1ほどに減額できる手続きです。元本を減額できるため、お金に困っている方も返済しやすくなるでしょう。
また、住宅ローン特則を利用すると、個人再生の手続きを申請しても住宅を手元に残せます。
ただし、弁護士費用が発生する点はデメリットです。
自身でも手続きの実行は可能ですが、手続きの内容は非常に複雑です。
多くの書類を作成したり、情報を記載したりする必要があり、知識がない方にとっては難しいでしょう。
そのため、多くの場合は弁護士に依頼する必要があります。
さらに自身が個人再生を実行すると、保証人に請求がいき、迷惑をかける可能性がある点にも注意しましょう。
自己破産のメリット・デメリット
自己破産のメリット、デメリットは次のとおりです。
メリット | ・借金の支払い義務が免除される ・基準以下の財産を手元に残せる ・強制的な差し押さえを回避できる |
デメリット | ・対象の財産が差し押さえられる ・官報に記載される ・職業が制限される |
自己破産を実行すると、借金の支払い義務が免除されるため、支払いの負担を排除できます。
借金問題で心の病気になったり、思い詰めてしまったりするくらいであれば、自己破産を選択しましょう。
また、すべての財産が差し押さえられるわけではありません。
時価20万円以下の財産を、手元に残したまま手続きを実行できる点もメリットです。
反対に、不動産や自動車などの価値がある財産は、差し押さえられます。
たとえば、車が必要な地域に住んでいる方にとっては、大きなデメリットです。
さらに、官報に記載されるデメリットもあります。
周りの方に債務整理をバレずに手続きしたい方は、慎重に検討してみてください。
特定調停のメリット・デメリット
特定調停には、次のメリット、デメリットがあります。
メリット | ・金利を引き下げて再計算できる ・官報に掲載されない ・費用が安い |
デメリット | ・時間がとられる ・裁判所に足を運ぶ必要がある ・和解できない可能性がある |
特定調停を実行すると、金利を引き下げて再計算し、借金を減額できます。
自己破産とは異なり、官報に掲載されないため、周りの方に発覚しにくい点がメリットです。
しかし、手続き完了まで時間がとられるデメリットがあります。
特定調停の内容は任意整理と似ていますが、実際に自身が裁判所に足を運び、債権者と交渉する必要があるため、時間が必要です。
さらに話し合いの末、和解が成立しない可能性もあります。
和解が成立しない場合は、他の債務整理を検討する必要があると理解しておきましょう。
債務整理の種類別の条件・向いている方の特徴
債務整理は、誰でも実行できるわけではなく、それぞれに条件があります。
自身が実行できる債務整理には何があるのか、確認してみてください。
任意整理の条件・向いている方
任意整理を実行するためには、次の条件を満たす必要があります。
- 3〜5年で完済できる
- 1回でも返済した履歴がある
任意整理を実行したあとは、3〜5年以内に完済する必要があります。返済に5年以上かかる可能性があると、和解できない場合が多いです。
さらに、これまでに1回も返済していない方は、返済の意思がないと判断され、任意整理を実行できません。
3〜5年で完済でき、過去に1回でも返済した履歴がある方は、任意整理に向いています。
個人再生の条件・向いている方
個人再生を実行するための条件は次のとおりです。
- 3〜5年で完済できる
- 借金の総額が5,000万円(税込)以下
個人再生も任意整理と同じく、3〜5年で完済する必要があるため、完済に5年以上かかる場合は、他の債務整理を検討する必要があります。
また、借金の総額が5,000万円(税込)以上の場合も個人再生を実行できません。
3〜5年で返済できる余裕があり、借金の総額が5,000万円(税込)以下の方は個人再生に向いています。
自己破産の条件・向いている方
自己破産を実行するためには、支払い不能であると認められる必要があります。
多額の借金がある場合でも、多くの貯金や収入がある方は、支払い不能と判断されません。
反対に、低収入で多額の借金を抱えており、明らかに支払い不能である方は、自己破産の対象です。
借金が膨らみ、自身の貯金や今後の収入では支払いが困難な方は、自己破産を選択してみてください。
しかし、価値のある財産を差し押さえられたり、官報に掲載されたりと、自己破産は他の債務整理よりもデメリットが大きいため、慎重に検討しましょう。
特定調停の条件・向いている方
特定調停を実行するには、次の条件を満たす必要があります。
- 裁判所に出廷できる
- 返済能力がある
特定調停を実行すると、金利を引き下げて再計算し、借金を減額できるものの、基本的に自身が裁判所に出廷する必要があります。
平日や土日関係なく、決められた日に出廷する必要があるため、スケジュールを自由に決められない方には難しいでしょう。
しかし、特定調停は他の債務整理よりも費用を抑えて実行できます。
債務整理に費用をかけられない方や、スケジュールに余裕がある方は、特定調停を検討しましょう。
債務整理の種類別の手続き方法・費用
債務整理は、無料で実行できるものではありません。
また、それぞれの種類によって方法も異なるため、事前に方法と費用を確認しておきましょう。
任意整理の手続き方法・費用
任意整理の手続き方法は、次のとおりです。
- 弁護士、司法書士事務所に相談
- 受任通知の送付
- 取引履歴開示請求の実施
- 引き直しの計算
- 過払い金請求(過払い金がある場合)
- 和解交渉
- 借金の返済
弁護士や司法書士に依頼すると、受任通知の送付や取引履歴開示請求などを、自身の代わりに実行します。
自身で手続きも可能ですが、一般人には難しい手続きのため、多くの場合弁護士や司法書士に依頼することになります。
依頼費用は、1社あたり5〜10万円ほどです。
個人再生の手続き方法・費用
個人再生の手続き方法は、次のとおりです。
- 弁護士、司法書士事務所に相談
- 受任通知を送付
- 取引履歴開示請求を実施
- 引き直しの計算
- 過払い金請求(過払い金がある場合)
- 裁判所に個人再生の申し立て
- 返済のテスト
- 個人再生の手続き開始の決定
- 債権認否一覧表、財産の報告書を提出
- 再生計画案を作成、提出
- 再生計画案の認可
- 返済開始
個人再生の手続きも自身で実行できますが、債務整理の中で最も手続きが複雑です。
そのため、多くの方が弁護士や司法書士に依頼します。
費用は、50〜80万円ほどです。
自己破産の手続き方法・費用
自己破産には、同時廃止事件や管財事件、少額管財事件の3つの種類があります。
どの種類を利用するのかは、財産の有無や経済的余裕などを加味して決まります。
今回は、同時廃止事件の手続き方法について、確認しましょう。
- 弁護士、司法書士事務所に相談
- 受任通知を送付
- 自己破産の申し立て
- 自己破産手続き開始の決定
- 同時廃止の決定
- 免責の許可
裁判所に書類を提出し、借金額や財産などのさまざまな項目を考慮して、最終的に自己破産が認められるのかが決まります。
費用は自己破産の種類によって、次のように異なります。
同時廃止事件 | 30〜50万円程度 |
管財事件 | 80〜100万円程度 |
少額管財事件 | 50〜80万円程度 |
自己破産の種類によって大きく変動しますが、裁判所の判断で決まるため、どれほどの費用が発生するのかは、実行してみないとわかりません。
特定調停の手続き方法・費用
特定調停の手続き方法は、次のとおりです。
- 特定調停の申し立て
- 調査期日の設定
- 調停委員の選任
- 調査期日の決定
- 債権者との交渉
- 調停調書の作成
- 借金の返済
特定調停は、簡易裁判所に申し立てるところから手続きが始まります。
また、話し合いの末に決まった計画に沿って、借金を返済する必要があります。
費用は、1社あたり500〜1,000円ほどです。
他の債務整理と比較すると、非常に安く実行できますが、弁護士や司法書士に依頼する場合は、数万円支払う必要があります。
借金の債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所5選
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任意整理 | ■着手金 1社22,000円〜 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
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債務整理に関するよくある質問
ここでは、債務整理に関するよくある質問に回答します。
クレジットカードは利用できなくなる?
債務整理後は、基本的にクレジットカードが利用できなくなります。
債務整理を実行すると、遅くても更新時には利用停止になるため注意しましょう。
債務整理すると就職や結婚に影響する?
債務整理が就職や結婚に影響する可能性は低いです。
就職や結婚の際に、債務整理の事実が公表される仕組みはないため、基本的に影響を及ぼすことはありません。
しかし、結婚する際に相手方や家族に伝える場合は、悪い印象を与えると推測でき、確実に影響がないとは言い切れません。
自身で債務整理をおこなうことは可能?
自身で債務整理をおこなうことは可能です。
しかし専門的な知識が必要で、時間や手間がかかるため、おすすめはできません。
また、自身に不利な内容で話が進む可能性もあることから、債務整理の手続きは専門家に任せた方が安心です。
まとめ
今回は、債務整理の種類やメリット、デメリット、方法や費用などについて解説しました。
債務整理には4つの種類があり、手続きによって内容が大きく異なります。
財産を手元に残したい方は利息をカットできる任意整理、借金の返済が困難な方は支払い義務が免除される自己破産がおすすめです。
債務整理は自身でおこなう場合、専門的な知識が必要になります。
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