外貨預金におすすめの銀行10選!狙い目の通貨やメリット・デメリットも紹介

2022年10月には1ドルが150円台に乗るなど、近年では円安が話題です。その円安を背景に外貨預金に興味を持ち始めている方も多いでしょう。

しかし、どの銀行で外貨預金するのかに応じて利率やサービス内容、為替手数料などが異なります。

外貨預金をするのであれば、利率や為替手数料の違いをよく見て、少しでもお得な銀行を利用したいところです。

そこで本記事では、外貨預金におすすめの銀行を10選紹介します。それぞれの銀行が提供するサービスや条件の違い、狙い目の通貨について詳しく解説します。

これから外貨預金を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

外貨預金とは?

外貨預金とは、その名のとおり外国の通貨を預け入れる形の預金を指します。

日本円以外の通貨で預金をおこなうことで、為替の変動による利益を期待できます。具体的には、円高のときに外国通貨を購入し、円安になったときにそれを円に戻すことで利益を得る点が基本的な考え方です。

また、外国の金利が日本よりも高い場合、その金利差で利益を得られます。

しかし、外貨預金にはリスクも存在します。為替レートが思うように動かない場合は損失を被り、保有している外貨の金利が下がると、金利差収入ができなくなるでしょう。

外貨預金にはさまざまな預金方法や通貨の種類があります。一部を挙げると、一定期間を設定して預け入れる定期預金、必要なときにいつでも引き出せる普通預金などがあります。

各預金にはそれぞれ利点とリスクがあるため、自身の資産管理の目的やリスク許容度に応じて選択しましょう。

外貨預金する銀行を選ぶときのポイント

ここでは、外貨預金を始めるうえで、どのようなポイントを見ていけばよいのか紹介します。

  • 金利
  • 取り扱い通貨の種類
  • 手数料の金額

外貨預金する銀行を選ぶ際は、これから紹介する項目をチェックしておきましょう。

金利

外貨預金の利益は、為替の変動のみでなく、金利にも大きく影響されます。金利が高いほど、預金に対するリターンも高くなります。

現状日本の預金金利はメガバンクで0.001%、金利の高いネット銀行で0.2%程度です。仮に100万円預金していたとして、メガバンクであれば年間10円、ネット銀行でも2,000円程です。

一方で世界の中心である米ドルの外貨普通預金は0.7%、カナダドルは1.8%と日本と比較しても金利の高さが際立ちます。

しかし、金利が高い通貨はインフレ率が高く、政治不安もあるため、リスクも高い傾向にあります。そのため、外貨預金する際は自身のリスク許容度にあったものを選びましょう。

各銀行が提供する外貨預金の金利を比較し、自身に最適な金利設定を持つ銀行を選択してください。

取り扱い通貨の種類

外貨預金できる通貨の種類は銀行により異なります。

米ドルやユーロなどの主要な通貨は多くの銀行で取り扱いしていますが、一部の新興国通貨や地域通貨などは、取り扱いがある銀行とない銀行があります。

自身が投資したい通貨を取り扱いしている銀行を選ぶことが重要です。

手数料の金額

外貨預金に関連する手数料も、利益に大きく影響します。一部の銀行では手数料が無料のところもありますが、通常は預入や引出、為替変換などに手数料が発生します。

手数料の高い銀行では、それだけ利益が減る可能性があるため、手数料を比較し、自身に手頃な銀行を選びましょう。

外貨預金におすすめの銀行10選

それでは、2023年時点での外貨預金におすすめの銀行10選を見てみましょう。

  • ソニー銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • PayPay銀行
  • 楽天銀行
  • イオン銀行
  • 東京スター銀行
  • GMOあおぞらネット銀行
  • auじぶん銀行
  • 三井住友信託銀行
  • SBI新生銀行

詳しく解説します。

ソニー銀行

銀行名ソニー銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:4.50%
ユーロ:2.40%
英ポンド:2.80%
豪ドル:5.0%
NZドル:4.5%
カナダドル:2.8%
スイスフラン:0.70%
香港ドル:1.80%(6か月)
ブラジルレアル:7.40%(3か月)
人民元:0.30%(6か月)
南アフリカランド:35.0%(1か月)
スウェーデンクローナ:1.00%(6か月)
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:15銭
ユーロ:15銭
英ポンド:45銭
豪ドル:45銭
NZドル:45銭
カナダドル:45銭
スイスフラン:45銭
香港ドル:9銭
ブラジルレアル:90銭
人民元:30銭
南アフリカランド:20銭
スウェーデンクローナ:9銭
普通預金の金利0.001%

ソニー銀行はソニーフィナンシャルグループの一員であり、「2022年 オリコン顧客満足度調査 外貨預金」において、3年連続総合1位を獲得したネット銀行です。

米ドル、ユーロ、豪ドルなどメジャーな通貨をはじめ、12通貨も取り扱いしているところが魅力で、多様な投資選択肢から自身の資産運用戦略にあったものを選べます。

優遇プログラムClub Sのステージに応じて、為替コストが変動します。最高ランクであるプラチナになると米ドルは4銭、ユーロは8銭になるなど為替コストを大幅に削減できるでしょう。

また、外貨預金以外にもサービスの取り扱いをしており、ネット銀行として初めて住宅ローンの取り扱いをしました。

ほかにも大手信用格付機関による格付が高く、メガバンクと比較しても遜色ない銀行です。

住信SBIネット銀行

銀行名住信SBIネット銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:4.60%
ユーロ:2.50%
豪ドル:3.70%
英ポンド:3.40%
NZドル:5.10%
カナダドル:3.70%
南アフリカランド:6.10%
スイスフラン:0.80%
香港ドル:2.10%(6か月)
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:6銭
ユーロ:14銭
豪ドル:24銭
英ポンド:24銭
NZドル:24銭
カナダドル:24銭
南アフリカランド:19銭
スイスフラン:24銭
香港ドル:5銭
普通預金の金利0.001%〜0.01%

住信SBIネット銀行は、ユーザーフレンドリーな機能を備えた、口座数600万以上のネット銀行です。キャッシュカードがなくてもアプリでATM取引ができるのは住信SBIネット銀行の大きな魅力です。

米ドルやユーロ、スイスフランや香港ドルなど9種類の通貨を取り扱っています。通貨リスクを分散させるための投資戦略を探求している方に大きな利点があります。

外貨預金がはじめての方でも外貨損益チェッカーを利用すれば、自身の損益状況を簡単に把握できるでしょう。

また、SBI証券との親和性が高いのも特徴の一つです。米ドルの為替コストが非常に低いため、米国株投資を検討している方にとくにおすすめのネット銀行です。

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PayPay銀行

銀行名PayPay銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:3.00%
ユーロ:0.70%
豪ドル:2.10%
NZドル:2.1%
スイスフラン:0.1%
英ポンド:2.0%
カナダドル:2.0%
香港ドル:0.1%
南アフリカランド:3.0%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:5銭
ユーロ:14銭
豪ドル:30銭
NZドル:30銭
スイスフラン:30銭
英ポンド:30銭
カナダドル:30銭
香港ドル:6銭
南アフリカランド:15銭
普通預金の金利0.001%

PayPay銀行では、取扱通貨が9通貨あります。米ドルの為替手数料が往復0.05円と業界最安水準であり、米ドルでの外貨預金のコストを抑えられます。ほかの通貨の為替コストも安く、手数料を抑えて外貨預金したい方におすすめです。

外貨預金のほかにも魅力は多数あります。たとえば、セブン銀行ATMとローソン銀行ATMでは、キャッシュカードなしで入出金できます。

事前にPayPay銀行アプリでカードレスATMの設定を完了し、取引画面でQRコードを読み取ると入出金やカードローンの借り入れ・返済が可能です。

また、PayPayの残高への入金(チャージ)は、銀行口座やATMなどすべての方法ででき、手数料は発生しません。PayPayから銀行口座への出金にも手数料はかからない利点もあります。

普段からPayPayを利用している方は、PayPay銀行の利用を検討してみてください。

楽天銀行

銀行名楽天銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:1.21%
ユーロ:0.02%
豪ドル:0.05%
英ポンド:0.02%
NZドル:0.15%
南アフリカランド:2.71%
人民元:0.51%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:25銭
ユーロ:25銭
豪ドル:45銭
英ポンド:45銭
NZドル:45銭
南アフリカランド:30銭
人民元:20銭
メキシコペソ:20銭
普通預金の金利0.02%〜0.1%

楽天銀行は累計1,300万以上の口座数があり、人気の高いネット銀行です。給与の受け取りや振込、楽天証券と連携により楽天ポイントが貯まりやすいメリットがあります。

外貨普通預金と定期預金どちらでも楽天ポイントを利用でき、少額から外貨を保有できます。普通預金であれば1ドルから、外貨定期預金は毎月3,000円(税込)からの積立購入も可能です。

また、楽天銀行は楽天証券と連携する「マネーブリッジ」により、米国株投資をする際に手軽に米ドルを送金できます。

楽天証券を利用している方は、楽天銀行の口座開設を検討してみてください。

イオン銀行

銀行名イオン銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:3.50%
豪ドル:2.40%
NZドル:3.5%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:0銭
豪ドル:0銭
NZドル:0銭
普通預金の金利0.001%

イオン銀行は、イオンモールやダイエーなどを擁するイオングループの一員で、主にオンライン上で取引する、ほぼ店舗を持たない銀行です。

外貨の取扱通貨が3通貨とやや少ないものの、円から外貨への交換時の手数料が0円な点が魅力です。ローコストで運営しているため、他の銀行に比べて金利は高く、手数料を安くするなどユーザーフレンドリーなサービスを提供しています。

イオン銀行の普通預金金利は、通常年0.001%です。しかし、イオンカードセレクトを保有すると、普通預金の金利がアップします。

具体的には最大で年0.099%も上乗せされ、合計年0.1%と高水準の金利となります。

イオン系列のサービスを利用すると得られるメリットが多いため、普段からイオン系列のサービスを利用している方におすすめの銀行です。

東京スター銀行

銀行名東京スター銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:3.00%
豪ドル:3.00%
ユーロ:1.40%
NZドル:4.00%
南アフリカドル:6.10%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:0円
豪ドル:0円
ユーロ:0円
NZドル:0円
南アフリカドル:0円
普通預金の金利0.001%

東京スター銀行は、資産形成のパートナーとして、個人の資産運用や法人企業の資金調達・資金運用などのサポートをする銀行です。

外貨の取扱通貨は5種類であり、どれもインターネットバンキングからの買付時の為替コストは無料となります。東京スター銀行の普通預金金利は、メガバンクと同水準の0.001%です。

しかし、給与振込や年金受取の口座に指定するのみで、普通預金金利が通常の100倍の0.10%にアップします。一度設定すれば、あとは高金利の預金となります。

GMOあおぞらネット銀行

銀行名GMOあおぞらネット銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:2.350%
ユーロ:2.010%
英ポンド:2.010%
豪ドル:3.510%
NZドル:3.810%
カナダドル:2.210%
スイスフラン:0.410%
南アフリカランド:5.350%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:4銭
ユーロ:11銭
英ポンド:20銭
豪ドル:15銭
NZドル:14銭
カナダドル:14銭
スイスフラン:16銭
南アフリカランド:10銭
普通預金の金利0.001%

GMOあおぞらネット銀行は、24時間365日ネットバンキングを利用可能な銀行です。取り扱い通貨は8通貨であり、業界最低水準の為替コストで外貨預金をスタートできます。

また、 1通貨単位の小口で購入でき、まとまった資産がない方でも預入可能です。GMOあおぞらネット銀行の魅力は、つかいわけ口座というバーチャル口座を10個まで作成できることです。

つかいわけ口座では、ひとつの口座で生活費やマイホーム資金、プレゼント用資金など、用途ごとにお金を分けて管理できます。

一つの口座だと、つい使ってしまう方におすすめの銀行です。

auじぶん銀行

銀行名auじぶん銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:5.00%
ユーロ:1.900%
豪ドル:3.400%
NZドル:4.000%
南アフリカランド:5.200%
ブラジルレアル:3.000%(3か月)
人民元:0.950%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:25銭
ユーロ:25銭
豪ドル:50銭
NZドル:40銭
南アフリカランド:20銭
ブラジルレアル:90銭
人民元:20銭
韓国ウォン:20銭
外貨預金の種類外貨普通預金
外貨定期預金
外貨自動積立
AI外貨自動積立
AI外貨予測
外貨ステップアップ定期預金
普通預金の金利0.001%~0.2%

auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同で設立したネット銀行です。預金管理や振込、銀行ATMでの現金の預け入れや引き出しなどをすべて「じぶん銀行アプリ」で完結できます。

金利は特別高いわけではないものの、預入時の為替手数料は全通貨無料になる点が大きな特徴です。

また、AIを利用して最適なタイミングを見極めて自動積立する「AI外貨自動積立」を利用すれば、時間がない方でも簡単に外貨預金をはじめられます。

また、auじぶん銀行の魅力は、三菱UFJ銀行との間で振込手数料が無料になる点です。

auじぶん銀行から三菱UFJ銀行への振込と、三菱UFJ銀行からauじぶん銀行への振込みが無料であるため、メインバンクが三菱UFJ銀行の方におすすめです。

三井住友信託銀行

銀行名三井住友信託銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:0.100%
ユーロ:0.100%
英ポンド:0.350%
豪ドル:0.100%
NZドル:0.750%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:50銭
ユーロ:75銭
英ポンド:1円
豪ドル:1円
NZドル:1円

三井住友信託銀行は、今回比較した1年定期預金であれば、金利が高いとはいえません。しかし、2年定期になると金利は大きく上がります。

たとえば、米ドルであれば4.00%、ユーロは1.200%となります。1年ではなく2年以上の定期預金を探している方は、三井住友信託銀行がおすすめです。

また、知識豊富な専門スタッフに、預貯金や投資信託・外貨預金だけでなく、相続や不動産などの相談もできます。

ネット銀行では対面でのサポートは難しいものの、プライバシーが守られる個別ブースでも相談できます。また、窓口にいく時間がない方は、三井住友信託ダイレクトに入会すると、電話やインターネットで気軽に相談できる点も魅力です。

SBI新生銀行

銀行名SBI新生銀行
取扱通貨と金利
(定期預金1年/円から預入)
米ドル:4.700%
ユーロ:2.300%
豪ドル:3.600%
NZドル:4.600%
英ポンド:3.300%
カナダドル:3.600%
シンガポールドル:2.500%
香港ドル:2.500%
南アフリカランド:5.500%
ノルウェークローネ:1.000%
人民元:1.000%
トルコリラ:5.000%
ブラジルレアル:1.000%
為替コスト
(片道・基準)
米ドル:15銭
ユーロ:40銭
豪ドル:20銭
NZドル:20銭
英ポンド:60銭
カナダドル:50銭
シンガポールドル:50銭
香港ドル:25銭
南アフリカランド:25銭
ノルウェークローネ:12銭
人民元:40銭
トルコリラ:1円
ブラジルレアル:1円

SBI新生銀行は、SBIホールディングスと新生銀行が共同で設立したネット専業銀行です。取り扱い通貨が13種類と豊富な点と、高金利な点が魅力です。

日本マーケティングリサーチ機構が調査した結果、初心者におすすめの外貨預金や外貨預金を預けたい銀行No.1を獲得しており、人気があることがわかります。

また、2023年4月3日にはじまった、SBI新生銀行とSBI証券の口座を連携させるサービスSBI新生コネクトを利用すると、SBI新生銀行の会員プログラムであるステップアッププログラムで最上位ステージのダイヤモンドに到達できます。

ダイヤモンドになれば、他行あて振込手数料が月50回も無料になるほか、普通預金金利が0.001%から0.10%にアップするなど、お得な特典を受けられます。

住信SBIネット銀行と同じく、SBI証券で投資をしている方におすすめのネット銀行です。

外貨預金のメリット

外貨預金をするメリットは3つあります。

  • 金利が高い
  • リスクを分散できる
  • 為替変動による利益を得られることがある

メリットについて理解して、外貨預金を賢くスタートしましょう。

金利が高い

金利とは、預金をおこなうことで得られる報酬や、貸し付けをおこなう際に発生するコストを指します。日本円はゼロ金利政策を実施中であるため、外国通貨の金利は日本よりも高い傾向にあります。

とくに新興国の通貨では、インフレ抑制や資金調達を目的として高い金利が設定されていることが多いです。

たとえば、トルコリラやブラジルレアルなどは、比較的高い金利が特徴です。このような通貨に投資すると、高い金利による収益を期待できます。

つまり、低金利の通貨(たとえば日本円)を借りて、その資金で高金利の通貨を買い、金利差による利益を狙えるのです。

リスクを分散できる

外貨預金は、リスクを分散する手段の一つになります。日本円しか保有していない方は、円安になったときに海外製品が高くなり、生活に困る可能性があります。

実際、2022年の急激な円安により、食料品などが大きく値上げされました。外貨を保有している方は、保有していない方に比べてインフレ時に資産総額が増える場合があります。

為替変動による利益を得られることがある

外貨預金の大きな魅力の一つは、為替の変動により利益を得られる可能性があることです。たとえば、あなたが150万円を保有していて、それをアメリカドルに換えるとしましょう。

仮に為替レートが1ドル=150円だとすれば、あなたは1万ドルを手に入れられます。その後、数か月後に円がドルに対して安くなり、為替レートが1ドル=160円になったとします。

この時、あなたが保有している1万ドルを再び円に戻すと、160万円になり、10万円の利益となる計算です。このように円が安くなった場合、預けていた外貨を円に戻すときに利益を出せます。

外貨預金のデメリット

外貨預金のデメリットは次の3つです。

  • 元本割れの恐れがある
  • 預金保護の対象外
  • 確定申告が必要になることがある

詳しく解説します。

元本割れの恐れがある

外貨預金は為替レートの変動に直接影響を受ける点がデメリットです。預金した外貨が円に対して価値が下がった場合、元本が割れる、つまり預けた金額よりも少ない金額になります。

たとえば、あなたが150万円を保有していて、それをアメリカドルに換えるとしましょう。仮に為替レートが1ドル=150円だとすれば、あなたは1万ドルを手に入れられます。

その後、数か月後に円がドルに対して安くなり、為替レートが1ドル=100円になったとします。この時、あなたが保有している1万ドルを再び円に戻すと、100万円になり、50万円の損失となるのです。

預金保護の対象外

外貨預金は、日本では通常、預金保険の対象外です。投資家はこのリスクを十分に理解した上で、外貨預金を選択する必要があります。

具体的には、日本の預金保険制度は日本円建ての預金が保護対象です。それに対し、外貨預金は銀行が破綻した場合、預金者は自身が預けた資金を全額回収できない可能性があります。

また、通常の外貨預金のほかに、外貨建ての投資信託や外債などの金融商品も預金保険制度の対象外です。このような商品も外貨リスクを持つため、取引する際はそのリスクを理解した上で慎重に判断する必要があります。

確定申告が必要になることがある

外貨預金から得られる利息は、所得となります。そのため、所得税の確定申告が必要です。

とくに、外貨預金の利息を元本に積み上げる再投資型の外貨預金の場合、利息が付与される際に源泉徴収がされません。確定申告をする必要がある場合は、忘れずおこないましょう。

外貨預金におすすめの通貨

外貨預金をする際は、各通貨の特性や世界経済の状況把握が重要です。

ここからは、外貨預金におすすめの通貨を紹介します。

  • 米ドル
  • ユーロ
  • 豪ドル
  • スイスフラン
  • 南アフリカランド

それぞれの特徴を理解しておきましょう。

米ドル

米ドルは世界最大の経済体であるアメリカの通貨であり、世界中の多くの取引で用いられています。多くの商品(たとえば原油)はドルで取引されるため、世界中で最も広く使われている通貨といえます。

また、米ドルの動向を予測するための情報が豊富にあり、相対的にリスクを把握しやすいメリットもあります。

ユーロ

ユーロはユーロ圏(欧州連合内の19カ国)共通の、米国に次ぐ経済規模を誇る通貨です。そのため、ユーロ圏の経済状況や中央銀行の政策などにより、ユーロの価値は変動します。

欧州経済の安定性と、情報の取得が比較的容易である点が投資家に魅力的です。

豪ドル

豪ドルはオーストラリアの経済状況に大きく影響を受けます。

とくに、オーストラリアは先進国でありながら、金やウランなど資材の輸出国として知られており、資材価格の変動は豪ドルの価値に大きな影響を与えます。

先進国の中ではオーストラリアの金利が比較的高い点も魅力的であり、資材価格の上昇期には投資機会となる場合があります。

スイスフラン

スイスフランは、世界的に安全通貨とされています。スイスの経済と政治の安定性、銀行制度の堅牢さから、投資家は不安定な経済状況時にスイスフランを選ぶ傾向にあります。

そのため、リスク回避の一環としてスイスフランを選ぶ投資家も多いです。

南アフリカランド

南アフリカランドは、新興市場通貨の一つであり、高い金利が特徴です。そのため、キャリートレード(金利の利ザヤで稼ぐ手法)の対象通貨として人気があります。

しかし、新興市場通貨であるため、為替リスクが高い点には注意が必要です。

為替リスクとは、外貨に投資した際に、その外貨の価値が変動することにより生じる潜在的な損失のリスクを指します。

南アフリカランドは、南アフリカ共和国の経済状況や政策、政治的不安定性などにより価値が変動する傾向にあります。

また、資源国でもあり、商品市場の動向(とくに金やプラチナなどの鉱物価格)もランドの価値に大きく影響するでしょう。

これらの商品価格が下落すれば、通貨価値も下落する可能性があり、その結果、投資家は為替リスクに直面することになります。

外貨預金に関するよくある質問

ここからは外貨預金に関するよくある質問を紹介します。

  • 円安のタイミングで外貨預金を始めても大丈夫?
  • 外貨預金は少額投資におすすめ?
  • 預金を外貨のまま引き出すことはできる?

外貨預金をはじめる予定の方は、チェックしておきましょう。

円安のタイミングで外貨預金を始めても大丈夫?

外貨預金は為替レートの変動により利益や損失が発生するため、はじめるタイミングが重要です。円安のときに外貨預金をはじめると、その時点では多くの円を支払い少ない外貨を手に入れることになります。

その後、円がさらに安くなれば、その外貨を円に戻すときに得られる円の額が増え、利益が出ます。

しかし、円の価値が高くなると、反対に損失を被る可能性もあるでしょう。そのため、為替レートの動向を予測し、自身のリスク許容度にあわせて判断をおこなう必要があります。

外貨預金は少額投資におすすめ?

外貨預金は少額からはじめられ、多様な通貨で運用するとリスク分散の効果も期待できます。

ただし、為替レートの変動によるリスクもあるため、元本割れの可能性や税金の問題を考慮に入れて計画的に投資しましょう。

預金を外貨のまま引き出すことはできる?

通常、外貨預金はそのまま外貨として引き出せます。ただし、具体的な手続きは銀行ごとに異なるため、各銀行の規定や手数料を確認しましょう。

また、外貨を直接引き出す場合、外貨の管理についても考慮する必要があります。

まとめ

外貨預金をはじめる際のポイント、おすすめの銀行10選、メリット、デメリット、おすすめの通貨についても触れました。

外貨預金はさまざまなメリットを享受できますが、それに伴うリスクも必ず理解し、自身の投資目的やリスク許容度に合わせた選択をおこなうことが必要です。

本記事を参考に、外貨預金への理解を深め、適切な投資選択に役立ててください。

※2022年6月時点の情報です。
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<参考>
ソニー銀行
住信SBIネット銀行
PayPay銀行

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