米国株は、世界的に有名な企業が多く、新しいイノベーションを生み出している魅力的な投資先です。
しかし、投資初心者の方は銘柄選びや証券会社選びに迷うかもしれません。
どのような基準で証券会社や投資銘柄を選べばよいか、知りたい方は多いでしょう。
そこで今回は、米国株に最適な証券会社16選の紹介や、米国株のメリット、デメリットまで徹底解説します。
米国株のおすすめ銘柄についても紹介するので、本記事を参考にして米国株への投資をはじめてみましょう。
米国株(アメリカ株)投資をする証券会社の選び方
米国株(アメリカ株)投資をする証券会社の選び方は、次のとおりです。
- 取引銘柄数の数
- 取引手数料の安さ
- 自身にあう注文方法
- 特定口座に対応している
取引銘柄の数や手数料などの重要なポイントがあるため、1つずつ詳しく解説します。
取引銘柄数の数
米国株投資をする証券会社を選ぶうえで、取引銘柄数の数は重要です。
証券会社により取引銘柄数は異なります。
取引銘柄数が多ければ、投資対象も増えてチャンスが広がります。
まだ無名の小型株に投資すると、大きな成長により多額の利益をつかめる可能性があります。
また、銘柄と聞くと個別株を想像する方が多いですが、証券会社によりETFの銘柄数も異なります。
ETFは上場投資信託と呼ばれており、特定の株価指数に連動する商品のことです。たとえば「日経平均株価」や「S&P500」など数百を超える企業に投資できます。
アメリカ株投資の初心者には、簡単に分散投資ができるETFがおすすめです。
人気のETFを選ぶためにも、銘柄数の多い証券会社を選びましょう。
取引手数料の安さ
取引手数料の安さは、利益に影響がでるため大切です。
証券会社では、主に次の手数料が発生します。
- 取引手数料
- 為替手数料
上記の手数料は、証券会社により異なります。
取引手数料が無料の会社もあれば、取引のたびに数百円の手数料がかかる会社も存在するでしょう。
手数料が0.1%異なるだけでも、将来の利益額に大きな差が生まれます。
証券会社を選ぶ際は、手数料が無料であるか、できる限り安い証券会社を選びましょう。
自身にあう注文方法
自身にあう注文方法があるのかも、証券会社を選ぶときの重要ポイントです。
注文方法は、次の2種類に分けられます。
- 成行注文
- 指値注文
成行注文とは売買する価格を設定しない注文方法で、約定までが早い点が特徴です。
指値注文は、売買する金額を指定して注文する方法で、自身の望む金額で売買できます。
しかし指値注文はすぐに売買できるとは限らず、注文まで時間がかかるデメリットがあります。
上記のように、注文方法は投資スタイルにも関わる重要なポイントです。
また、証券により独自の注文方法を用意している場合もあります。
逆指値を採用している証券会社では、希望価格以上になると購入したり、希望価格以下になると売却できたりなどの注文方法もあります。
IG証券では「CFD取引」が可能で、資産を保有していなくても注文が可能です。
注文スタイルが豊富な証券会社を選ぶと柔軟な売買ができるため、証券会社を選ぶ際は注文方法を確認してみましょう。
特定口座に対応している
米国株に適した証券会社を選ぶ際は、特定口座に対応しているところを選びましょう。
特定口座に対応している証券会社を選ぶと、自身で確定申告の必要がなく、譲渡益や為替差益などを証券会社が自動で計算します。
特定口座ではなく、一般口座を選んでしまうと、自身での確定申告が必要になり、譲渡益や為替差益などの計算をおこなう手間がかかります。
とくに米国株投資は、為替の計算が面倒なため、手間を省きたい方は特定口座の利用がおすすめです。
米国株(アメリカ株)取引におすすめの証券会社16選
米国株に投資する場合には、次の証券会社がおすすめです。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- サクソバンク証券
- IG証券
- 岩井コスモ証券
- CHEER証券
- moomoo証券
- ウィブル証券
- 内藤証券
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- DMM.com証券
- 東海東京証券
- 大和証券
- みずほ証券
- PayPay証券
それぞれの取引手数料や銘柄数などの特徴について詳しく解説します。
楽天証券
楽天証券は、楽天市場で有名な楽天グループの証券会社です。
投資に応じて1%〜2%の楽天ポイントが還元されるため、楽天経済圏を利用している方におすすめの証券会社です。
楽天経済圏の方は、楽天モバイルや楽天市場と連携すると、投資で貯めたポイントを有効活用できます。
そして米国株を取引するうえでの楽天証券の魅力は、米国ETF15銘柄の取引手数料が無料なところです。
ETFは気軽に分散投資ができるため、15銘柄も手数料無料なのは初心者にも嬉しいポイントです。
米国株の取引銘柄数も4,864銘柄、ETF372銘柄と、豊富に揃っています(2023年7月時点)。
また、高性能ツールの「マーケットスピードⅡ」では、米国株を分析するさまざまなツールを無料で利用できます。
スマートフォン向けアプリの「iSPEED」では、気軽にスマートフォンから米国株を購入できるため、取引の利便性も高い証券会社といえるでしょう。
SBI証券
SBI証券は、米国株の取引銘柄数が6,000銘柄を超えており、業界トップクラスの豊富な銘柄をそろえている証券会社です。
投資信託やIPO株から大型株まで、さまざまな選択肢のなかから取引銘柄を選べます。
また、SBI証券は米国株専用のアプリ「SBI証券米国株アプリ」を用意しています。
SBI証券米国株アプリは、米国株をスマートフォン1つで購入可能なうえに、米国株に特化した情報やサービスが魅力のアプリです。
そして、SBI証券は「SBI ETFセレクション」により、米国株を含めた人気のETF10銘柄の買付手数料が無料です。
初心者でまずはETFをはじめたい方でも、豊富な選択肢から選択できます。
マネックス証券
マネックス証券は、2023年7月時点で米国株の取引銘柄数が4,500件以上と、トップクラスの銘柄数を誇る証券会社です。
ほかにも、米国株を購入するうえで、他社にはない強みが多数あります。
- 米国株の注文方法が他社と比べて豊富に選べる
- 米国株は原則24時間いつでも注文が可能
- 購入時の為替手数料が無料なためコストを抑えられる
マネックス証券は、米国株式の取引時間が制限されておらず、原則24時間いつでも購入できます。
他社の証券会社では、購入時間が定められている場合が多いため、大きなメリットです。
また、他社と比べても手数料を節約できる魅力もあります。
通常の取引手数料は0.495%で他社と差はありませんが、マネックス証券は為替に対する手数料が無料です。
為替に対して手数料がかかる他社と比較しても、コストを安く抑えられます。
そして、マネックス証券は、米国ETF17銘柄の買付手数料も無料のため、米国株投資をする証券会社としておすすめできます。
サクソバンク証券
サクソバンク証券は、デンマークに本社を置くオンライン銀行です。
外国株に力を入れており、米国株の取り扱いも約5,500銘柄と豊富に揃えています。
さらに、米国株の売買手数料は0.33%であり、業界でもトップクラスの安さを誇ります。
注文方法も全7種類の対応があるのに加え、注文時間も受け付けているため柔軟な取引も可能です。
米国株以外にも、中国株や欧米株、香港株など外国株も豊富なため、世界中の株に興味がある方にもおすすめできます。
IG証券
IG証券はイギリスのロンドンに本社を置く、創業45年以上の歴史をもつ老舗の証券会社です。
日本市場には、2008年に参入し10年以上経ちます。
利用者数は全世界で31万人を超えており、圧倒的なシェアを獲得しています。
IG証券の魅力は、CFD取引に対応しているところです。
CFD取引とは、実際に資産を保有せずにポジションを保有したときと、決済したときの差額のみが損益として計上される取引方法のことを指します。
そのため、少額の資金から米国株をはじめられる、資金が少ない方にもおすすめの証券会社です。
米国株や日本株などをあわせると1万7,000銘柄以上と取り扱いも豊富です。
さらに、すべての銘柄でCFD取引に対応しています。
そして、IG証券は無料でデモトレードができるため、投資初心者はまずはデモトレードから米国株をはじめてみるとよいでしょう。
岩井コスモ証券
岩井コスモ証券は、手数料を次の3つのタイプから選べる証券会社です。
- スタンダードコース:取引回数が少ない初心者向け
- アクティブコース:1日に複数回取引する方向け
- マンスリーコース:取引回数の頻度が多い上級者向け
米国株をこれからはじめる方は、スタンダードコースがおすすめです。
米国株式の銘柄数は、835銘柄と他社と比較して多いわけではありませんが「Apple」や「Amazon」などアメリカの王道株は揃えています。
メジャーな米国銘柄への投資を考えている方は、岩井コスモ証券も選択肢に入れておきましょう。
CHEER証券
CHEER証券は、米国株の売買を時間を気にせずいつでも取引できる証券会社です。
一般的な証券会社の場合は、日本時間で23:30〜翌6:00までが米国株の取引時間となります。
しかし、CHEER証券は24時間いつでも米国株の売買ができます。
通勤時間や出勤前などでも取引できるため、忙しいサラリーマンや主婦などにもおすすめです。
また、CHEER証券は最低取引金額が500円からであり、少額から投資したい初心者でもリスクを減らしてはじめられます。
moomoo証券
moomoo(ムームー)証券は、全世界の利用者数が2,000万人を超えている人気の証券会社です。
米国株を分析できるアプリが充実しており、板情報は0.3秒ごとに更新されています。
米国株については、次のように常に新しい情報を確認可能です。
- 専門アナリストの分析
- 財務諸表
- 市場分析
- 過去の株価
- 企業評価
上記のように米国株について、詳しく分析が可能です。
米国株投資を本格的にはじめたい方は、最新の情報で分析ができるmoomoo証券の利用を検討しましょう。
ウィブル証券
ウィブル証券は、米国株や米国ETFを約7,000銘柄揃えており、米国株に強みのある証券会社です。
業界トップクラスの米国株の取り扱いがあり、王道の銘柄から将来期待の銘柄まで豊富な選択肢から探せます。
また、ウィブル証券は米国株の手数料も0.25%と他社と比較しても割安です。
為替手数料も15銭と低く抑えられているため、手数料を節約したい方にもおすすめできる証券会社です。
低コストで米国株投資をはじめたい方は、ウィブル証券で口座開設してみましょう。
内藤証券
内藤証券は、中国株、米国株に強みのある証券会社です。
中国株に強みがありつつ、米国株も約1,000銘柄以上と豊富に揃えています。
また、内藤証券はサポートが手厚いのもメリットです。
チャットや電話でのサポートはもちろん、操作がわからないときは、画面を共有しながら丁寧に口頭で説明します。
初心者で操作に不慣れでも、内藤証券であれば安心して利用できるでしょう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行傘下の証券会社で、大手ならでは信頼感が売りです。
世界有数の金融企業の「三菱UFJ銀行」と「モルガン・スタンレー」が合併してできた証券会社のため、圧倒的なネットワーク網を活かした情報収集に強みがあります。
外国株にも力を入れており、米国株の銘柄も豊富です。
また、大手ならではの手厚いサポートも魅力で、次のようなコースが用意されています。
- 投資のプロから対面でアドバイスをもらえるコース
- ネット証券と同様のすべてオンラインで完結するコース
投資初心者の方は、一人で投資をはじめるのに不安を感じる場合もあるでしょう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、投資のプロから対面でアドバイスをもらえるコースが用意されているため、初心者の方でも安心です。
ただし手数料は割高になるため、コストを抑えたい方はネット証券と同様のオンラインで完結する「ダイレクトコース」を選びましょう。
DMM.com証券
DMM.com証券は、ネット広告やテレビCMなどで有名な「DMMグループ」に属している大手の証券会社です。
米国株式の取引手数料は無料と、手数料の安さが売りです。
他社は取引手数料がかかる場合が多いため、お得な証券会社といえるでしょう。
また、DMM.com証券は、スマートフォンアプリの操作性も良好です。
スマートフォン一つで、米国株の購入から分析まで完結します。
パソコンよりもスマートフォンを中心に取引をしたい方にも、おすすめの証券会社です。
東海東京証券
東海東京証券は海外の情報網に強みがあり、米国株投資に適した証券会社です。
海外現地法人や海外提携金融機関から独自のルートで情報を仕入れているため、タイムリーな情報が手に入ります。
また、電話サポートや「東海東京TV」による動画コンテンツなど、手厚いサポートも魅力です。
米国株や外国株の情報をより早く知りたい方は、東海東京証券を利用しましょう。
大和証券
大和証券は、投資コンサルタントとの対面式の投資スタイルと、ネット式の投資スタイルを選べる初心者にも優しい証券会社です。
米国株をはじめる初心者の方は、知識も不十分でアドバイスが欲しいと感じる方が多いでしょう。
大和証券であれば、投資アドバイザーからあなたにあわせたアドバイスを受けられます。
そして、大和証券は大手企業の情報網を活かした、アナリストレポートも豊富です。
米国株に関する、詳しい情報やレポートもチェックできます。
みずほ証券
みずほ証券は、大手ならではの手厚いサポートや投資情報を売りにしている証券会社です。
対面での投資スタイルを選ぶと、あなた専用のアドバイザーがつきます。
米国株の新しい情報やアドバイスをもらいながら投資ができるため、自身で情報収集が面倒な方や投資初心者におすすめです。
また、他社のネット証券と同様のスタイルを希望の方は「みずほ証券ネット倶楽部」を利用すると、対面不要で投資ができます。
PayPay証券
PayPay証券は、SoftBankグループに属する証券会社です。
PayPay証券の最大の特徴は、最小1,000円から米国株式投資が可能なところです。
1,000円から米国株をスタートできれば、投資初心者の方でも安心でしょう。
また、PayPay証券は米国株の売買が24時間可能です。
本来であれば米国株は、次の時間のみ取引できます。
- 通常の時間:23:30~翌6:00
- サマータイム:22:30~翌5:00
夜中から早朝にかけてマーケットが開いているため、リアルタイムでの投資は難しいです。
しかし、PayPay証券であれば24時間いつでも売買が可能なため、仕事で忙しいサラリーマンや時間がない主婦の方にもメリットがあります。
ほかにもマンガで株式投資を学べるコンテンツや、操作性に優れるアプリが用意されているなど、初心者に優しい証券会社です。
米国株(アメリカ株)投資の特徴とメリット
米国株には、次のメリットと特徴があります。
- 1株から購入できる
- 成長の可能性がある
- 配当が高い
- 配当回数が多い
- 円安になれば利益になる
- 値幅制限なし
- サーキットブレーカーがある
- 新NISAに対応
メリットを知り、米国株投資を効率よくスタートさせましょう。それぞれのメリットについて1つずつ解説します。
1株から購入できる
米国株は、1株から購入できる魅力があります。
日本株の場合は100株からの購入となるため、米国株は日本株と比べて開始に大きな資金が必要ありません。
たとえば、有名な銘柄である「Amazon」は、2023年7月現在で株価は約128ドル(1万7,847円)です。
日本株の場合は、100株からの購入のため、購入するためには100万円以上の資金が必要ですが、米国株は株価の128ドル(1万7,847円)を用意すれば投資が可能です。
少ない資金でも大型株に投資できるのも、米国株のメリットといえるでしょう。
成長の可能性がある
アメリカは、世界的な企業が次々と誕生しており、大きな成長が見込める銘柄に投資でき、多額の利益を出せるチャンスがあります。
アメリカの経済成長を支えているのは、先進国で唯一増加している人口です。
移民政策を積極的に取り入れたことで、アメリカの人口は現在も増加中です。
人口増加は、経済成長に大きな影響を与えます。
また、アメリカはイノベーションを他国に比べ圧倒的に多く生み出している魅力的な市場です。
世界的なIT企業のGAFAMを筆頭に、今後も成長性の高い企業が次々に誕生すると予想されています。
配当が高い
米国株は、配当が高い傾向にあります。
アメリカでは、日本とは異なり「会社は株主のもの」という考えが一般的です。
そのため、会社の利益は配当金として株主へ還元する企業が多いです。
アメリカの企業のなかには、何年にも渡り配当金を増額している企業も多数あります。
配当金の増額実績が豊富なアメリカ企業に投資すると、長期間にわたり配当金を受け取れるでしょう。
配当回数が多い
日本株は年1〜2回の配当が一般的ですが、米国株では年4回の配当金が受け取れる場合が多いです。
配当金を目的に投資をする方には、受け取る回数が増えるのはメリットでしょう。
たとえば世界的に知られている日用品メーカーの「P&G」は、2月、5月、8月、11月に配当金を受け取れます。
配当金を現金で受け取りたい方は、米国株に投資してみましょう。
円安になれば利益になる
米国株に投資していれば、円安のときでも利益が得られます。
円安になると、米国株の評価額は上昇するため、利益が出る可能性があります。
たとえば、1株200ドルの米国株を100株購入し、為替レートが「1ドル=100円」の場合の評価額は200万円です。
しかし、円安となり為替レートが「1ドル=120円」の場合には、評価額は240万円まで上昇し、40万円の利益が得られます。
米国株に投資していれば、円安により資産が目減りするリスクも回避できるでしょう。
値幅制限なし
米国株には、ストップ安やストップ高はありません。
日本株の場合は、ある一定額まで上昇した場合は「ストップ高」となり、株価はストップ高の価格以上に上昇しなくなります。
しかし、アメリカ株は、ストップ高の制限がないため1日で20%〜50%の値動きが起こる場合があります。
ストップ高とストップ安の制限がないと、大きな損失を出すリスクもありますが、高い利益をつかむチャンスも多いです。
サーキットブレーカーがある
米国株には、株価が短期的に大きく変動した場合に株式取引をストップする「サーキットブレーカー」制度が存在します。
サーキットブレーカーがあると、加熱しすぎた株式市場を落ち着かせ、大きな損失が出るのを防げます。
日本株のようにストップ安やストップ高はありませんが、サーキットブレーカーにより比較的安全な株式取引も可能です。
新NISAに対応
米国株は、2024年1月からスタートする新NISAにも対応しています。
NISAとは、決められた投資枠の範囲内で得られた投資利益にかかる税金を非課税にする制度のことです。
新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれており、2つの制度を利用すると、最大1,800万円までの投資額を非課税で運用できます。
さらに、非課税期間は無期限のため、いつ利益確定しても税金は一切かかりません。
米国株であれば、ETFや個別株、投資信託にいたるまで新NISAの対象です。
新NISAの制度を最大限活用できるのも米国株のメリットといえるでしょう。
米国株(アメリカ株)投資の注意点とデメリット
米国株には、次のデメリットがあります。
- 取引手数料がかかる
- 為替リスク
- 情報収集に手間がかかる
- 株主優待がない
- 年4回配当が多い
- ストップ高やストップ安がない
- 信用取引可能な証券会社が少ない
- 日本時間の深夜から早朝までに取引
注意点を知らずにはじめると後悔するため、必ず理解したうえで投資しましょう。
それぞれの注意点について1つずつ解説します。
取引手数料がかかる
米国株は、取引手数料が発生します。
さらに日本株と比較すると割高な手数料が設定されている場合が多いです。
ただし、証券会社のなかには米国株の為替手数料やETFにかかる買付手数料が無料になる場合もあります。
高い手数料を回避するためには、手数料が割安または無料の証券会社を見極めることが重要です。
為替リスク
米国株には、為替リスクがあります。
なぜなら、米国株は日本円ではなく米ドルで株式を購入するためです。
米ドルで購入しているため、為替レートが円高に動くと保有している資産が目減りします。
たとえば、為替レートが「1ドル=100円」の場合に、Amazon株130ドルを5株(6万5,000円分)購入したと仮定します。
上記の条件でAmazon株が5%上昇して、円高が「1ドル=90円」まで進んだ場合の資産を確認しましょう。
購入時の利益 (1ドル=100ドル) | 売却時の利益 (1ドル=90円) | 差額 |
---|---|---|
130ドル×5株= 650ドル 650ドル= 6万5000円 利益:6万5,000円 | 136ドル×5株= 680ドル 680ドル= 約6万1,200円 利益:6万1,200円 | 6万5,000円- 6万1,200円= -3,800円 差額:-3,800円 |
上記のとおり、株価は5%上昇しているのに、為替が円高に進んだことにより利益は3,800円マイナスになります。
米ドルと円との間に為替リスクがある限りは、株価が上昇した場合でも資産が目減りする場合がある点に注意しましょう。
情報収集に手間がかかる
米国株は、情報収集に手間がかかるのもデメリットです。
米国株は日本株とは異なり、アメリカ企業の情報をキャッチする必要があるため、英語での情報取集が必要になります。
さらに、日本に住んでいる場合は情報量も限られており、情報を集めるのに苦労します。
とくに、米国の取引は日本時間で深夜におこなわれるため、リアルタイムの情報収集は難しいです。
日本株とは異なり、言語の壁や情報収集の難しさがあることは、頭に入れておきましょう。
株主優待がない
米国株は、日本株とは異なり株主優待がありません。株主優待目当ての方には、メリットが少ないです。
日本株は株主優待で利益を還元する企業が多いですが、アメリカの企業は配当利回りを上げたり、売却益を多くしたりなどの部分を重要視します。
日本株のような株主優待は期待できませんが、その分配当金や売却益を多く出す企業が多いため、デメリットばかりではありません。
年4回配当が多い
米国株は年4回の配当金を出すところが多いため、まとめて配当金を受け取りたい方にはデメリットです。
年4回の配当金は、小分けに受け取りたい方には嬉しいものの、再投資したい方には必要ない方もいるでしょう。
配当金の回数が多いと感じる方や、再投資をしたい方は、配当を出していない企業を事前に調べておくか、配当回数が少ない企業を選びましょう。
ストップ高やストップ安がない
米国株は、日本株で採用されている「ストップ高」と「ストップ安」がないため、大きな損失を出すリスクがあります。
ストップ高やストップ安とは、株価の上昇や下落を決められた金額までに制限する制度のことです。
米国株では、ストップ安、ストップ高の制度が採用されていないため、30%〜50%以上の株価変動が起こるリスクがあります。
ただし、米国株には短期的に株価が大きく変動した場合に強制的に取引を中断する「サーキットブレーカー」制度が存在します。
米国株は値幅制限はありませんが、急激な株価の変化に対しては「サーキットブレーカー」が作動するため、大きな損失を防げるでしょう。
信用取引可能な証券会社が少ない
米国株式の信用取引は、2022年7月に解禁されたばかりのため、取り扱う証券会社が少ないというデメリットがあります。
日本株のように、多くの証券会社で信用取引ができるわけではありません。
米国の信用取引が可能な証券会社は、次の3つです。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
現状、米国株の信用取引の取り扱いを公表しているのは、上記の3つの証券会社のみです。
米国株で信用取引を考えている方は、3つの証券会社に選択肢が絞られてしまいます。
日本時間の深夜から早朝までに取引
米国株は、日本時間の深夜から早朝に取引されるため、リアルタイムで情報収集したり、分析したりなどが難しいです。
米国株の取引時間は、日本時間では次のようになります。
- 標準時間:23:30~翌6:00
- サマータイム:22:30~翌5:00
標準時間とサマータイムで時間の違いはありますが、基本的に寝ている時間から早朝にかけて取引されています。
とくに短期の取引をしたい方は、深夜や早朝に株価を確認したり、売買したりしなければいけないため、デメリットに感じるでしょう。
初心者に人気の米国株(アメリカ株)
初心者に人気の米国株(アメリカ株)は、次の銘柄です。
- AMAZON(AMZN)
- VISA(V)
- マクドナルド(MCD)
- アップル(AAPL)
- マイクロソフト(MSFT)
- インテル(INTC)
- ペイパル(PYPL)
- メタ・プラットフォームズ(MVRS)
- ホームデポ(HD)
- アルファベット(GOOG)
米国株には、世界的に名の知れた人気銘柄が多数存在します。
自身の基準にあう銘柄を探すためにも、1つずつ特徴を解説します。
AMAZON(AMZN)
Amazon(AMZN)は、ECショップで有名な「Amazon.com」をはじめとし、AmazonプライムやAmazonオーディブルなどの有名なサービスを数多く展開する企業です。
コロナにより自宅で過ごす機会が増えて需要は拡大しており、利用者は増加しているといわれています。
また、Amazonは世界No.1のシェアを誇るクラウドサービス事業「AWS」を主軸のビジネスとしています。
今後さらなるオンライン化が進むなかで、クラウドサービス事業の需要も増えると予想されているため、将来性の高い銘柄といえるでしょう。
VISA(V)
VISA(V)は、クレジットカード事業でトップクラスのシェアを誇る企業です。
クレジットカード会社は、世界7大ブランドといわれる「VISA」や「Mastercard」「AmericanExpress」などがシェアを独占しており、新規参入の障壁が高いです。
トップクラスのブランド力があるVISAは、今後も利用者のシェアは増えていくことが予想されます。
さらに、キャッシュレス決済が進んでいくことも普及の後押しとなるため、今後が期待できる銘柄の一つです。
マクドナルド(MCD)
マクドナルドは、世界中に店舗を構えるハンバーガーのチェーン店です。
世界100か国以上、4万店舗の規模を有しています。
意外なことにマクドナルドのビジネスモデルは、ハンバーガーの販売が主ではありません。
世界中の店舗に、商品や経営ノウハウを提供しロイヤリティ収入を得ています。
事実として、マクドナルド直営の店舗は3割のみで、残りのすべてはフランチャイズで経営しています。
経営にかかるリスクはすべてフランチャイズに任せ、マクドナルドはノウハウの提供により、莫大な利益を得る仕組みです。
上記のように、収益性の高いビジネスモデルを構築しており、今後も成長は続くと考えられます。
アップル(AAPL)
アップル(AAPL)はスマートフォンの「iPhone」やハイスペックパソコンの「Macbook」を販売しているIT企業です。
おしゃれなデザインやインターフェースで、他社を圧倒するブランド力を獲得しています。
新しいテクノロジーにも積極的に投資しており、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の分野にも参入しています。
Appleは現在のビジネス以外にも、今後さまざまな分野で成長が期待できるでしょう。
マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフト(MSFT)は「Windows」で有名なパソコンやソフトウェアを販売するIT企業です。
パソコンのシェア率は市場の95%を記録しているうえ「Word」や「Excel」などのオフィスソフトでも圧倒的なシェアを獲得しています。
また、マイクロソフトはパソコン事業以外にも、クラウドサービス事業の「Azure」も展開しており、リモートワークや巣ごもり需要の増加とともに、順調に業績を伸ばしています。
最近では、AI分野にも大きな投資をしており、今後も大きな成長が見込まれる企業です。
インテル(INTC)
インテル(INTC)は、世界最大級の半導体企業です。
時価総額は2023年7月時点で143,315(百万ドル)で、日本円にして20兆円を超えています。
半導体は、パソコンやスマートフォン、IOT家電などに欠かせない部品のため、今後も需要は増えていくと考えられます。
家電や自動車のIOT化も進んでおり、半導体の必要な範囲は年々増加中です。
インテルはGAFMに次ぐアメリカの企業といえるため、初心者が選ぶ米国株投資の銘柄としておすすめできます。
ペイパル(PYPL)
ペイパル(PYPL)は、世界で4億人を超えるユーザーが利用しているオンライン決済サービスです。
世界的な感染症の流行から、オンラインショッピングの需要が増えたことにより、オンライン決済を主とするペイパルも順調に成長しています。
さらにオンライン決済サービスは、日本でも急速なスピードで導入が進んでおり、今後も需要は増えていくと考えられます。
オンライン決済を専門にする企業のなかでも、ペイパルは世界最大の規模です。
将来性のある暗号資産に関するサービスにも注力しており、今後さらなる成長が見込まれています。
メタ・プラットフォームズ(MVRS)
メタ・プラットフォームズ(MVRS)は「Facebook」や「Instagram」などのソーシャルサイトを提供するIT企業です。
InstagramとFacebookの利用者は、全世界で30億人を超えており、圧倒的な利用者数を誇ります。
また、社名をFacebookから メタ・プラットフォームズに変更したことからわかる通り、メタバース(仮想空間)へ巨額の投資をしています。
メタバースとは、インターネット上の仮想空間のことです。
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の発展とともに、今後爆発的な需要を期待できます。
メタバースに将来性を感じる方は、メタ・プラットフォームへの投資がおすすめです。
ホームデポ(HD)
ホームデポ(HD)は、アメリカのホームセンターチェーン店で世界最大規模を誇る企業です。
日本ではそれほど知名度がない企業ですが、時価総額は3,314億ドルで日本円に換算すると45兆円を超える規模となります(2023年7月時点)。
倉庫型の広い店舗が特徴で、店舗数はアメリカ全土で2,300店舗を展開しています。
アメリカでは現在でも住宅は増え続けているため、ホームデポの需要も増加が予想されています。
近年爆発的な成長を見せるホームデポも、米国株投資の候補としておすすめの銘柄です。
アルファベット(GOOG)
アルファベット(GOOG)は、検索エンジンの「Google」を提供する世界的なIT企業です。
圧倒的な利用者数を誇る検索エンジンのGoogleをはじめとして、Eメールサービスの「Gmail」や地図アプリの「Googleマップ」など、インターネットのさまざまなサービスで高いシェアを獲得しています。
さらに、動画配信プラットフォームの「YouTube」やandroidスマートフォンの「Googleピクセル」など、多くの事業を手がけています。
すべてのサービスがGoogleアカウントに連携して利用できるため、利便性が高く今後も利用者は増加していくでしょう。
また、現在急速に成長しているAI市場にも巨額の投資をしているため、今後も大きな成長が見込まれる企業です。
米国株(アメリカ株)の購入方法
米国株式の購入方法の手順は、次のとおりです。
- 証券会社の口座を開設
- 日本円を両替
- 米国株を選ぶ
- 米国株を注文
手続き方法について、1つずつ詳しく解説します。
1:証券会社の口座を開設
米国株を購入するためには、まずは米国株式が購入できる証券会社で口座開設が必要です。
次のような米国株が購入可能な証券会社で口座開設を済ませてください。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
また、米国株式を購入する場合には「証券総合口座」と「外国証券取引口座」の2種類の口座開設が必要です。
多くの場合は、申し込みの際に2つあわせて開設できます。
「楽天証券」や「SBI証券」などのネット証券を選べば、申し込みはすべてインターネットで完結可能です。
2:日本円を両替
口座開設が完了したら、次は資金を証券口座に入金します。
入金方法は、各証券会社により、次の方法で対応しています。
- 銀行振り込み
- ATM入金
- インターネットからの即時入金サービス
銀行振込やコンビニ入金以外にも、インターネットからの即時入金に対応している証券会社も多いです。
たとえば、楽天証券の「リアルタイム入金」では、手数料無料で24時間いつでも即時入金できます。
注意点として、米国株は「日本円」と「米ドル」の両方の購入に対応していますが、証券会社により米ドルに両替が必要な場合もあります。
両替が必要な場合は、証券会社の手順に従いましょう。
3:米国株を選ぶ
証券会社への入金が完了したら、購入する米国株を選びます。
米国株は、1〜4桁の番号で構成される「銘柄番号(ティッカーシンボル)」が割り当てられています。
ティッカーシンボルを入力して、目当ての企業を検索しましょう。
また、ティッカーシンボルが不明の場合でも企業名で検索できます。
4:米国株を注文
購入する銘柄が決定したら、次の項目を入力してください。
- 購入数量
- 購入価格
- 成行、指値、逆指値の3つの注文方法を選択する
成行は、価格を指定せずに注文する方法です。
価格の指定がないため、すぐに注文できるメリットがあります。
指値と逆指値は、指定した価格に到達したら注文を入れる方法です。
成行注文と異なり、希望の注文額で購入はできますが、約定まで時間がかかる場合が多いです。
自身の状況にあわせて、最適な注文方法を選択しましょう。
米国株(アメリカ株)についてよくある質問
米国株でよくある4つの質問を紹介します。
- 米国株の最低取引単位は?
- 米国株はいくらから購入できる?
- NISAで米国株は購入できる?
- 税金はかかる?
疑問点を解消するためにも、1つずつ回答します。
米国株の最低取引単位は?
米国株は、1株から購入可能です。
100株単位の日本株とは異なり、米国株は少額から取引できる魅力があります。
大きな資金がない方は、まずは1株から米国株式をはじめてみましょう。
米国株はいくらから購入できる?
米国株式は、1株から購入可能なため、多くの銘柄で数千円〜数十万円で購入できます。
たとえば、有名企業である「コカ・コーラ」や「アフラック」などは、1万円以下で購入が可能です。
大きな元手が必要ないのも、米国株のメリットといえます。
NISAで米国株は購入できる?
NISAでも米国株式は購入可能です。
次の4社が、NISAでの米国株購入に対応しています。
- 楽天証券
- SIB証券
- マネックス証券
- DMM株
上記でNISA口座を開設して、米国株を購入すると非課税制度を受けられます。
投資にかかる税金は20.315%のため、節税の効果は大きいでしょう。
税金はかかる?
米国株投資には税金がかかります。米国株にかかる税金は、次のとおりです。
日本で発生する税金 | 米国で発生する税金 | |
---|---|---|
売却益にかかる税金 | 20.315% | なし |
配当金にかかる税金 | 20.315% | 10% |
売却益には、日本株と同様に20.315%の税金がかかります。
そして、米国株は日本株と異なり配当金に対しては20.315%の税金とあわせて、アメリカからも10%の課税が発生します。
米国株は、配当金に関しては「2重課税」がかかり、税負担が大きくなる点に注意しましょう。
まとめ
今回は、米国株に最適な証券会社やメリット、デメリットについて解説しました。
米国株は1株から購入できたり、成長性の高い企業が多く選べたりなどメリットが多い投資先です。
しかし、為替リスクや株主優待がないなどの注意点もあるため、自身の求めている条件を満たしているかを調べたうえで投資を考える必要があります。
米国株に最適な証券会社を選ぶ際は、手数料の安さや銘柄数の多さ、特定口座に対応しているかなどのポイントを重視して選んでみてください。
証券会社選びに悩む場合は、米国ETFの取引手数料が無料の楽天証券やSBI証券などを選ぶのがおすすめです。
今回紹介した証券会社やおすすめの銘柄を参考にして、米国株への投資で資産を増やしましょう。