借金が返済できずに個人再生を検討している方のなかには「クレジットカードは解約されたくない」と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、個人再生をした場合クレジットカードは解約されます。
しかし再発行は可能なため、永続的に利用できないわけではありません。
本記事では、個人再生をした場合のクレジットカードの扱いについて解説します。
再発行時の注意点や作れるようになる時期も解説するので、個人再生を検討中で、クレジットカードを利用し続けられるか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
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個人再生をした場合クレジットカードは解約される
個人再生をすると、クレジットカード会社へ通知が送付され、解約処理がされます。
また、個人信用情報機関に登録され、その後一定期間クレジットカードの作成ができません。
他にも個人再生を実行すると、次のような影響が考えられます。
- キャッシングの審査に通らない
- 新たなローンを組めない
- 返済中のローンの一括返済もしくは返還が必要なケースがある
個人再生とは?
個人再生とは債務整理のひとつで、借金の減額措置のことです。
債務整理には次の3つがあります。
- 個人再生
財産を残しつつ借金を5分の1ほどに減額 - 任意整理
貸した者と借りた者が直接交渉し、金利をカット - 自己破産
20万円以上の財産を処分し借金を帳消し
たとえば、600万円の借金がある方が個人再生をすると、600万円の5分の1にあたる120万円に減額され、120万円を3年間で支払うことになり、月3万円程度の返済となります。
自己破産の場合は、20万円以上の価値のある財産は処分となりますが、個人再生は車や生命保険などは保有したまま手続きが可能です。
また、個人再生は住宅ローンを残したまま手続きができるため、持ち家を残したまま借金を減額できるメリットがあります。
解約の理由は信用情報
個人再生をするとクレジットカードが解約される理由は、信用情報に傷がつくためです。
債務整理をすると、事故情報として信用情報に登録され、返済能力がないとカード会社から判断されます。
信用情報として登録される内容は、個人情報と契約情報の2つです。
個人再生をすると信用に傷がつくブラックリストとして登録されるため、クレジットカードは解約されます。
個人再生後のクレジットカードの再発行は難しい?
個人再生後、5年~7年はクレジットカードの再発行ができないとされています。
個人再生は事故情報として信用情報機関に登録され、5年~7年は情報が残り続けるためです。
事故情報が登録されている期間は再発行できませんが、事故情報が削除されれば再発行が可能となります。
また、個人再生後のクレジットカードの再発行には、次の2つに注意しなければなりません。
- 利用していた金融機関やグループ会社では作れない可能性がある
- 審査に時間がかかったり通りにくかったりする
5年~7年が経過し事故情報が削除されても、企業内では信用に傷がついた者として情報が残り続けます。
また、事故情報が削除されると返済能力を確かめる判断材料がなくなり、審査が難しくなるため時間がかかるケースもあります。
まずは審査に落ちにくいカードを発行して利用し、信用を積み上げるのも大切です。
個人再生をする際のクレジットカードに関する注意点
個人再生をする際、クレジットカードに関して次の3つに注意しましょう。
- 解約される直前までの利用は避ける
- クレジットカードの現金化をしてはいけない
- 口座の引き落としを止める
上記を実行すると、犯罪になるケースがあります。
事前にチェックしておきましょう。
解約される直前までの利用は避ける
個人再生の際は、解約される直前までクレジットカードを利用するのは避けましょう。
個人再生をしたとなると、すでに借金返済ができずに返済は困難な状態です。
そのような状態でクレジットカードを利用すると、借金を踏み倒そうとしていると捉えられます。
裁判所やクレジットカード会社から不信感を買い、個人再生の手続きにも支障が出る可能性があるでしょう。
個人再生後にクレジットカードが利用できる状況でも、利用してはいけません。
返す気がないのに借金をしたと判断され、最悪の場合は詐欺罪になる可能性があります。
クレジットカードの現金化をしてはいけない
個人再生後に解約されていなくても、クレジットカードの現金化をしてはいけません。
クレジットカードの現金化とは、クレジットカード払いで購入した商品を売却して現金に替えることです。
現金化を目的に商品を購入したとクレジットカード会社に判断されると、購入額を一括請求される場合があります。
また、クレジットカードの支払いが終わっていないと、購入した商品の所有権はクレジットカード会社にあるため、横領罪になる可能性があります。
個人再生後にクレジットカードで商品を購入し、メルカリや買取業者などで売却して、現金に替えないよう注意しましょう。
個人再生にかかわらず、クレジットカードの現金化はカード規約違反となる可能性が高いです。
口座の引き落としを止める
個人再生後は、口座引き落としを止めましょう。
個人再生で借金返済を停止しているにもかかわらず、クレジットカードのみ返済するのはおすすめできません。
債務整理をおこなう場合は、すべての債権者への返済を平等に扱わなければいけないからです。
クレジットカード会社に口座引き落としで返済していることがバレると、個人再生の借金減額手続きに悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、利用している口座の銀行に対して借金がある場合は、引き落としを止める必要はありません。
個人再生後は口座の引き落としを止めないと、借金減額の手続きに悪影響が出る可能性があるため、注意しましょう。
いずれにしても迅速な対応が必要なため、不安な方は専門家に相談をおすすめします。
個人再生をしても利用できるキャッシュレス決済方法
個人再生をおこなうとクレジットカードは利用できませんが、次の5つのキャッシュレス決済は利用できます。
- プリペイドカード
- デビットカード
- 家族カード
- ETCパーソナルカード
- スマホ決済
現金派ではなく、キャッシュレス派の方も安心してください。
クレジットカードが利用できず、事故情報が登録され信用に傷がついたとしても利用できるキャッシュレス決済方法を紹介します。
プリペイドカード
クレジットカード以外のキャッシュレス決済としては、プリペイドカードが挙げられます。
あらかじめプリペイドカードに残高をチャージか入金をして、残高の分だけ決済できる前払いのシステムです。
プリペイドカードには、使い切りタイプとチャージタイプの2種類があります。
使い切りタイプは1,000円や5,000円など、カードの残高が決まっていてそれ以上利用できないタイプのカードです。
QUOカードやAppleカードなど、ギフトカードに多く見られます。
一方でチャージタイプは、持っているプリペイドカードに残高をチャージして利用します。
主に銀行口座振込やコンビニ払いなどで、カードに残高のチャージが可能です。
セブンイレブンで利用するnanacoや、イオングループのWAONカードがチャージタイプのプリペイドカードです。
チャージタイプはカードを入手するだけではなく、残高をチャージしないと利用できないため、忘れないよう注意しましょう。
デビットカード
クレジットカードを利用できなくても、デビットカードは利用できます。
デビットカードとは、決済と同時に口座残高から引き落とされる即時払いのカードです。
クレジットカードは、決済した後にカード会社に返済する後払いシステムなため、デビットカードとは支払い方法が異なります。
デビットカードは、口座残高から直接引き落とされるため、残高以上に使いすぎないメリットがあります。
ショッピングでの使いすぎを防止したい方は、銀行口座と紐付けられたデビットカードがおすすめです。
家族カード
個人再生をしても、家族カードがあればキャッシュレス決済を利用できます。
家族カードとは、クレジットカードを所持している方が追加で発行できるカードのことです。
安定した収入のある方の名義であれば、その家族もクレジットカードを利用できます。
たとえば、年収500万円の父親の名義であれば、配偶者か18歳以上の子どもは家族カードを発行し、クレジットカードとして利用できます。
個人再生をおこなった本人名義の家族カードだと、利用できないため注意しましょう。
家族カードは年会費が割安であったり、付帯している保険が利用できたりするメリットがあります。
配偶者もしくは子どもに安定した収入がある方は、家族カードでキャッシュレス決済を利用できます。
ETCパーソナルカード
ETCパーソナルカードは、クレジットカードがなくても契約できる、有料道路の料金支払いのみに利用可能なカードです。
デポジットと呼ばれる保証金を預けて利用します。
預けたデポジットの80%までが、通行料金として口座引き落としで支払いが可能です。
たとえば1万円をデポジットしている場合、通行料金8,000円まで決済可能となります。
デポジットを超えると有料道路のバーが開かず危険なため、利用状況を把握しておくようにしましょう。
スマホ決済
個人再生後にクレジットカードが利用できなくても、QRコード決済(スマホ決済)は利用できます。
スマホ決済は、スマートフォンでQRコードやバーコードをレジで読み込んで決済するサービスです。
主に次のようなサービスがあります。
- PayPay
- 楽天ペイ
- LINE Pay
- d払い など
決済した利用額を毎月の携帯代に合算したり、銀行口座から直接引き落としたりと、支払い方法はさまざまです。
便利なキャッシュレス決済ですが、利用しすぎて携帯代が高額になり、支払いが滞るとスマートフォンが利用停止になる可能性があるため注意しましょう。
また、スマホ決済は後払いのシステムなため審査がある場合があり、個人再生をしていると、審査に通らないケースもあります。
個人再生後のクレジットカードの発行手順や方法
個人再生をするとクレジットカードは解約され、その後平均5年~7年、最長だと10年クレジットカードを作れません。
クレジットカードの再発行までにやるべきこと、手順について解説します。
1:信用情報を確認する
次の3つのいずれかの機関で、自身の信用情報を確認可能です。
- CIC
- JICC
- KSC
昭和59年に創立された割賦販売法および貸金業法に基づいて指定を受けた、唯一の指定信用情報機関です。
消費者の料金支払いやローン利用などに関する情報収集や管理、提供や開示をおこないます。
インターネットは500円(税込)、郵送は1,500円(税込)で情報開示の申し込みが可能です。
信用情報の管理や提供を通じて、信用取引を支える指定信用情報機関です。
インターネットは500円(税込)、郵送は1,000円(税込)で情報開示の申し込みできます。
1973年に発足した全国銀行協会が運営する、個人信用情報期間です。
インターネットと郵送での情報開示ができ、料金は共に1,000円(税込)です。
各信用情報機関で自身の事故情報をチェックして、履歴が消えているかどうか確認しましょう。
2:クレジットヒストリーを積み重ねる
事故情報が残っている間は、クレジットヒストリーを積み重ねておきます。
クレジットヒストリーとは、クレジットカードやローンなどの利用履歴のことです。
個人再生後、5年~7年ほどで事故情報が削除されクレジットカードの再発行ができますが、信用情報は何もない状態となります。
情報がないと、申し込み者に返済能力があるのかカード会社から判断できず、クレジットカード発行の審査に通らないケースがあります。
少しでも審査に通りやすくするために、信用の積み重ねが必要です。
カードやローンの契約の有無、水道光熱費や携帯電話料金の支払い状況などが、クレジットヒストリーに関わります。
審査に通りやすいカードの作成や、料金の支払い遅延に気をつけ、クレジットヒストリーを積み重ねましょう。
3:クレジットカードを選ぶ
信用情報から事故情報が消え、クレヒスを積み重ねたら、作成するクレジットカードを選びます。
個人再生をおこなう前に持っていたクレジットカードは、再発行ができない可能性が高いため注意しましょう。
なぜなら、クレジットカード会社には、信用に傷がついた者として情報が登録されるからです。
利用したことがあるカードは避けつつ、審査基準が厳しくないクレジットカードを選びましょう。
4:申し込む
作りたいクレジットカードが決まったら、公式サイトから申し込みましょう。
クレジットカード作成後も、支払いの延滞や使いすぎないよう注意してください。
個人再生におすすめできる弁護士・司法書士事務所5選
本章では、個人再生をする際におすすめできる弁護士と司法書士事務所を5つ紹介します。
- はたの法務事務所
- サンク総合法律事務所
- 東京ロータス法律事務所
- アース法律事務所
- 弁護士法人・響
依頼の費用や特徴を解説します。
はたの法務事務所
対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 無料 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 385,000円〜 |
自己破産 | 330,000円〜 |
- 全国出張費用が無料
- 司法書士歴27年の信頼実績
- 過払い報酬が業界最安値クラス
はたの法務事務所は、着手金や相談料が無料なため低コストで債務整理をできるのが特徴です。
実績があり評判もよく、人気の法務事務所となります。
出張費用も無料で、コストを抑えられます。
しかし、個人再生や自己破産で裁判になった場合は、新たに弁護士を雇わなくてはいけません。
できるだけ費用を抑えたい方におすすめの法務事務所です。
サンク総合法律事務所
対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 1社55,000円〜 ■基本報酬 1社11,000円〜 ■減額報酬 11%相当 ■過払い金報酬 22%相当 |
個人再生 | 要相談 |
自己破産 | 要相談 |
- 相談費用・初期費用が無料
- 365日24時間いつでも受付
- 手元資金がなくても分割払いOK
サンク総合法律事務所では、24時間365日メールフォームから相談可能です。
女性の弁護士が在籍しており、女性の方でも安心して相談できます。
男性には相談しづらい、時間がなくてなかなか相談に行けない方におすすめの法律事務所です。
費用は相談内容によって異なるため、気になる方は一度相談してみましょう。
東京ロータス法律事務所
対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 1社22,000円〜 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 330,000円〜 |
自己破産 | 220,000円〜 |
- 受任実績が7,000件以上と豊富
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東京ロータス法律事務所は、経験豊富な弁護士が在籍しています。
債務整理の費用が安く優秀な弁護士が在籍しているため、個人再生や自己破産を検討している方におすすめの法律事務所です。
電話が苦手な方に向けて、メールでの問い合わせも受け付けています。
債務整理の事案を数多く手がけた実績のある事務所に相談したい方は、東京ロータス法律事務所を検討しましょう。
アース法律事務所
対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料※1 |
任意整理 | ■着手金 1社22,000円〜 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 330,000円〜 |
自己破産 | 330,000円〜 |
- 元裁判官の弁護士がサポート
- Web相談は24時間365日受付
- 借金問題に関する相談費用が無料
アース法律事務所では、30年以上キャリアのある弁護士が在籍しています。
そのため、個人再生や自己破産など裁判になる可能性がある方は、そのまま弁護士に依頼できます。
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債務整理に強い法律事務所に頼りたい方は、アース法律事務所がおすすめです。
弁護士法人・響
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- 個人再生:220,000円〜
- 過払い金成功報酬:22,000円
弁護士法人・響は、弁護士だけでなく税理士や行政書士など、さまざまな専門家がいます。
大手グループで専門家だけでなく、スタッフも担当するため、手厚いサポートが欲しい方におすすめです。
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初期費用は0円でも依頼できるので、借金で悩みを抱える方は相談してみましょう。
個人再生に関するよくある質問
ここでは、個人再生に関するよくある質問を紹介します。
利用していないクレジットカードは解約される?
利用していないクレジットカードも、順次解約されます。
個人再生をすると、信用情報機関に事故情報として登録されるからです。
利用していないクレジットカードでも、定期的に信用情報を確認しているため、個人再生をしたとわかった時点で解約されます。
個人再生と任意整理の違いとは?
個人再生と任意整理の違いは次のとおりです。
- 個人再生:借金の元本を大幅に減らす手続き
- 任意整理:利息や遅延損害金を減らす手続き
また手続きにかかる期間や手間、費用なども異なります。
借り入れ金額や返済額など自身の状況にあわせて、どちらの手続きを取るか判断しましょう。
まとめ
本記事では、個人再生時のクレジットカードの扱いについて解説しました。
個人再生をすると、利用しているクレジットカードは解約されます。
そして平均5年〜7年、最長10年クレジットカードの再発行はできません。
キャッシュレス決済を利用し続けたい場合は、プリペイドカードやデビットカードの利用を検討しましょう。
ただし、5年〜10年が経過し信用情報から個人再生の履歴が消えると、再度クレジットカードの発行が可能です。
本記事で紹介した法律事務所に相談して、個人再生後にクレジットカードを再発行しましょう。