「自身に過払い金があるか知りたい」「過払い金の相談窓口を探している」という方もいるでしょう。
過払い金に関する相談は、さまざまな窓口が受け付けています。
相談窓口は、請求実績やかかる費用を考慮して選ぶとよいでしょう。
今回の記事では、過払い金の基本的な仕組みや請求条件、実際に過払い金の無料相談ができる窓口や相談先の選び方について解説します。
また、弁護士や司法書士事務所に過払い金について相談するメリット、デメリットのほか、実際におすすめの事務所や請求時の流れ、注意点についてもあわせて解説します。
過払い金について相談したいことがある方、実際に相談する弁護士事務所や司法書士事務所を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
弁護士事務所・司法書士事務所
なみき法務事務所 | はたの法務事務所 | ひばり法律事務所 | サンク総合法律事務所 | 東京ロータス法律事務所 | |
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おすすめ ポイント | LINEで気軽に相談 10年以上の実績 良心的な費用設定 | 全国出張費用が無料 司法書士歴27年 過払い報酬が安い | 女性専用の相談窓口 何度でも相談無料 秘密厳守だから安心 | 初期費用が完全無料 365日24時間受付 分割払いOK | 受任実績が豊富 休日も相談受付 何度でも相談無料 |
相談料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
着手金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
基本報酬 | 無料 | 無料 | 無料 | 22,000円 | 無料 |
過払い報酬 | 返還額の14%〜22% | 返還額の14%〜22% | 返還額の22%〜27.5% | 返還額の22%〜27.5% | 返還額の22%〜27.5% |
対応地域 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
過払い金とは

過払い金とは、名前のとおり過剰に支払ったお金を指します。
例として、利息制限法で定められている上限金利を超えて余分に返済したお金が挙げられます。
そのため、消費者金融などで借り入れ金額を返済し終えた方でも、過払い金が発生している可能性もあるでしょう。
過払い金の請求をし、請求が認められた場合は手元に金銭が戻ります。
なぜ過払い金は発生するのか
過払い金は、出資法と利息制限法の上限金利の差により発生したものです。
貸金業者には、利息制限法と出資法という2種類の法律が適用されます。
現在はどちらの上限金利も同じ20.0%ですが、2010年6月17日以前の出資法の上限金利は29.2%でした。
そのため、利息制限法と出資法では9.2%の差がありました。
この差を「グレーゾーン金利」と呼びます。
以前は、出資法の利率は満たしても利息制限法の利率は満たしていないグレーゾーン金利で融資をおこなう貸金業者が多数ありました。
そのため、グレーゾーン金利を利用して借り入れをおこなっていた方は、金利を支払いすぎていたことになります。
支払いすぎた金利が過払い金と呼ばれ、返還請求の対象です。
過払い金を請求できる条件
過払い金を請求できる条件は、次のとおりです。
- 2010年6月17日以前に借り入れをした方
- 借金の完済から10年以内の方
2010年6月17日までは出資法の上限金利が29.2%だったため、グレーゾーン金利で融資をしている貸金業者がいました。
以降は出資法が改定されて上限金利が利息制限法と同じ20.0%となったため、2010年6月18日以降は過払い金が発生する余地がありません。
また、過払い金の返還請求期限は借金の完済から10年以内です。
借金の完済から10年以上経過している方は、過払い金の請求ができないため注意しましょう。
過払い金の無料相談ができる窓口4選

過払い金の無料相談ができる窓口は、主に次のとおりです。
- 各自治体の法律相談窓口
- 消費者センター
- 法テラス
- 弁護士・司法書士事務所
各自治体の法律相談窓口、消費者センター、法テラスでは、基本的に無料で法律相談が可能です。
弁護士事務所や司法書士事務所の中には有料相談の場合もありますが、そのまま過払い金請求を依頼できる点がメリットと言えるでしょう。
それぞれの窓口について、具体的に解説します。
各自治体の法律相談窓口
各自治体では、定期的に無料相談の窓口を設けています。
弁護士や司法書士に無料で相談でき、気軽に利用できる点がメリットです。
事前に予約が必要となるケースもあるため、公式サイトなどで確認しておきましょう。
相談は30分程度であり、正式に依頼する場合は弁護士や司法書士を紹介してもらえます。
最初から弁護士事務所や司法書士事務所へ依頼することに抵抗がある場合は、気軽に相談できる各自治体の法律相談窓口を利用してみましょう。
消費者センター
消費者センターは、国民生活の安定と向上を目的として相談対応をおこなっています。
そのため、過払い金をはじめ借金の取り立てや悪質商法の被害など、さまざまな相談が可能です。
借金を抱えていたり、過払い金問題を解決したいと考えている方は、消費者センターに相談してみましょう。
詳しい借金の状況をカウンセリングしてもらえるため、解決方法について相談できます。
消費者センターで直接弁護士や司法書士への相談はできませんが、必要に応じて紹介を受けることができます。
法テラス
法テラスは、日本司法支援センターが運営する総合案内所です。
過払い金問題をはじめ、借金問題や離婚、相続など法律に関する全般の相談ができます。
問い合わせ内容に応じて、法律や制度の情報提供を受けられます。
消費者センターと同様に、必要に応じて弁護士や司法書士など適切な相談窓口の案内も受けられる点がメリットです。
また、弁護士事務所や司法書士事務所に直接依頼するよりも、法テラスを経由して依頼する方が費用が安くなる傾向にあります。
そのため、いずれは弁護士や司法書士への依頼を検討している場合、まずは法テラスに相談してみるとよいでしょう。
さらに、法テラスでは「民事法律扶助制度」を実施しています。
民事法律扶助制度とは、金銭的な余裕がない方に向けて法律相談を無料で受けられるよう整えたり、弁護士や司法書士の依頼にかかる費用を立て替えたりする制度です。
なお、民事法律扶助制度の利用には次の条件を満たす必要があります。
- 収入と資産が資力基準以下であること
- 少しでも勝訴の見込みがあること
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
収入や資産が資力基準を超えている場合、民事法律扶助制度は利用できません。
また、裁判になる可能性がある場合は勝訴の見込みが少しでもあり、依頼理由が民事法律扶助の趣旨に適することも条件です。
弁護士や司法書士に依頼をしたいけれど金銭的な不安を感じている方は、まずは法テラスに確認をしましょう。
弁護士・司法書士事務所
自身で手続きをせずに過払い金請求をする場合、最終的には弁護士事務所や司法書士事務所に依頼する必要があります。
弁護士事務所や司法書士事務所の多くは、無料で相談できる窓口があります。
過払い金請求のみならず、借金問題全般の相談も可能です。
弁護士事務所や司法書士事務所に直接相談すると、そのまま過払い金返還の請求手続きを依頼できる点が大きなメリットです。
そのため、過払い金返還請求の依頼を検討している場合は、最初から弁護士事務所や司法書士事務所に相談するとスムーズでしょう。
多くの事務所では公式サイトやメールフォーム、電話などで相談を受け付けているため、まずは相談してみてください。
過払い金の相談をする弁護士・司法書士事務所の選び方

過払い金の相談をする弁護士事務所や司法書士事務所を選ぶ場合は、自身の状況に応じた事務所を選ぶ必要があります。
具体的な選び方は、次のとおりです。
- 過払い金の請求実績で選ぶ
- 過払い金の請求にかかる費用で選ぶ
- 相談した相手との相性で選ぶ
過払い金の請求実績が豊富な事務所は、安心して依頼できます。
また、請求にかかる費用や事務所との相性、対応で選ぶ方法もあるでしょう。
それぞれの詳しい選び方について、具体的に解説します。
過払い金の請求実績で選ぶ
実績が豊富な事務所であれば、成功率も高く信頼して依頼できるでしょう。
多くの弁護士事務所や司法書士事務所では、公式サイトで実績を公開しています。
公式サイトに実績の公表がない場合は、無料相談時に質問してみましょう。
依頼したい事務所の目星をつけたら請求実績を確認してみてください。
過払い金の請求にかかる費用で選ぶ
過払い金返還の請求にかかる費用相場は、10万円程度です。
また、過払い金が返還されると、20〜25%程度の成功報酬を支払う必要があります。
請求にかかる費用は事務所により異なるため、なるべく費用を抑えたい方は安く依頼できる事務所を選びましょう。
ただし、相場より大幅に安価な場合は悪徳事務所の可能性もあるため、知名度があったり情報開示が正しくされていたりする事務所を選ぶようにしましょう。
相談した相手との相性で選ぶ
過払い金返還請求を依頼する事務所とは、何度もやり取りをする必要があります。
そのため、相性の悪い弁護士や司法書士事務所に依頼すると、やり取りがストレスになる可能性も考えられます。
また、人柄や対応に誠実さを感じられない弁護士や司法書士への依頼は避けましょう。
無料相談時の対応をみて、相性がよさそうな事務所に依頼することもひとつの方法です。
弁護士・司法書士に過払い金の相談をするメリット

過払い金の相談窓口はいくつかありますが、弁護士事務所や司法書士事務所への相談が最もおすすめです。
弁護士や司法書士に過払い金について相談するメリットは、主に次のとおりです。
- 取引履歴をスムーズに取り寄せられる
- 過払い金を多く取り戻せる可能性がある
- 取引履歴から裁判まで代理で手続きしてもらえる
手元に取引履歴がない場合、弁護士や司法書士に依頼するとスムーズに取り寄せられます。
また、自身で手続きをするよりも過払い金を多く取り戻せる可能性が高くなります。
実際に返還請求を依頼した場合、取引履歴の取り寄せから裁判まで、すべての代理手続きを依頼できます。
それぞれの詳しいメリットについて、具体的に解説します。
取引履歴をスムーズに取り寄せられる
何年も前の借り入れの場合、取引履歴が手元に残っていない方もいるでしょう。
また、手元に残っていてもすべて正しい履歴でない可能性もあります。
過払い金返還請求をおこなう場合は、正しい取引履歴の提示が必要です。
弁護士や司法書士に依頼すると、取引履歴の取り寄せもあわせて依頼できます。
自身では手のかかる作業も任せられるため、スムーズに手続きが進みます。
過払い金を多く取り戻せる可能性がある
弁護士や司法書士に依頼せず、自身での過払い金返還請求も可能です。
しかし、過払い金の引き直し計算、話し合いなどにより請求金額が決定するため、誤った数値での請求や不利な話し合いとなる可能性もあります。
そのため、自身での過払い金請求では、本来返還されるべき金額より少ない金額になる可能性があります。
一方、専門家である弁護士や司法書士に相談した場合、自身で請求するよりも過払い金を多く取り戻せる可能性が高くなります。
過払い金を多く取り戻せた場合は、弁護士や司法書士への依頼金を含めても自身で手続きをするよりプラスになる可能性があります。
そのため、過払い金の返還請求はプロに依頼しましょう。
取引履歴から裁判まで代理で手続きしてもらえる
過払い金の返還請求手続きには複雑なものも多く、個人での請求は非常に手間がかかります。
また、万が一裁判になった場合は個人では対応できないため、弁護士に依頼しなければなりません。
はじめから弁護士や司法書士に依頼した場合、煩雑な手続きや計算のほか、話し合いや裁判に発展した場合も継続して依頼できます。
そのため、過払い金の返還請求は弁護士や司法書士への依頼がおすすめです。
弁護士・司法書士に過払い金の相談をするデメリット

弁護士や司法書士に過払い金について相談するメリットは多数ありますが、いくつかデメリットもあります。
弁護士や司法書士に過払い金の相談をするデメリットは、次のとおりです。
- 過払い金で請求した業者先は今後利用できない
- 信用情報機関に登録される
過払い金の返還請求をすると、借り入れ先の業者は今後利用できなくなります。
また、借金を完済しないまま過払い金の返還請求をおこなった場合は個人情報が信用情報機関に登録される可能性があるため注意しましょう。
また、それぞれのデメリットは、個人で請求した場合でも弁護士や司法書士に依頼した場合でも同様です。
詳しいデメリットについて、具体的に解説します。
過払い金で請求した業者先は今後利用できない
借り入れをしていた消費者金融などの業者に過払い金の返還請求をおこなうと、今後同じ業者での借り入れはできません。
また、クレジットカードの利用もできなくなるため注意しましょう。
利用不可になる業者は請求先の業者のみであり、そのほかの業者には借り入れやクレジットカードの作成も利用できます。
そのため、そこまで大きなデメリットではないでしょう。
信用情報機関に登録される
返還された過払い金が返済中の借金よりも少ない場合、金融事故として個人情報が信用情報機関に登録されます。
信用情報機関に情報が登録されると、一定期間借り入れやクレジットカードの作成ができなくなります。
そのため、まだ借金を完済していない状態で過払い金請求を検討している場合、金額を照らしあわせて請求を検討してみてください。
過払い金の請求におすすめな弁護士・司法書士事務所6選
過払い金の返還請求におすすめな弁護士事務所、司法書士事務所は主に次のとおりです。
- はたの法務事務所
- ひばり法律事務所
- 東京ロータス法律事務所
- アディーレ法律事務所
- 弁護士法人・響
- 弁護士法人ユア・エース
それぞれの事務所における詳しい情報やおすすめポイントを具体的に解説します。
はたの法務事務所

対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 無料 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 385,000円〜 |
自己破産 | 330,000円〜 |
- 全国出張費用が無料
- 司法書士歴27年の信頼実績
- 過払い報酬が業界最安値クラス
- 相談実績20万件以上
- Webや電話で無料相談可能
- 全国どこでも無料出張受け付け
はたの法律事務所は司法書士歴27年の実績を誇り、相談実績は20万件以上です。
豊富な実績から安心感があり、信頼して相談できる事務所といえるでしょう。
過払い金請求のほか、債務整理などの借金相談も受け付けています。
過払い金請求には相談料、基本報酬はかからず、成功報酬のみ発生します。
成功報酬は取り戻した過払い金額の22%であり、10万円以下の場合は14%(別途11,000円の解決報酬/1社)です。
多くの優秀な司法書士が在籍しており、費用が比較的安価な点も嬉しいポイントです。
ひばり法律事務所

対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 1社22,000円〜 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 330,000円〜 |
自己破産 | 220,000円〜 |
- 女性専用の相談窓口あり
- 何度でも相談料が無料
- 秘密厳守の相談だから安心
- 過払い金をはじめ、任意整理や自己破産、個人再生の相談も可能
- 電話やメールで気軽に相談できる
- 相談料無料、依頼時に費用発生
ひばり法律事務所では、過払い金請求をはじめ任意整理、自己破産、個人再生などの相談も受け付けています。
相談料は無料であり、電話やメールで気軽に相談できる点が大きなメリットです。
依頼確定時に初めて費用が発生するため、まずは無料相談を受けてみましょう。
過払い金の成功報酬は回収金の20%です。
東京ロータス法律事務所

対応エリア | 全国 |
相談料金 | 無料 |
任意整理 | ■着手金 1社22,000円〜 ■基本報酬 1社22,000円〜 ■減額報酬 11%相当 |
個人再生 | 330,000円〜 |
自己破産 | 220,000円〜 |
- 受任実績が7,000件以上と豊富
- 土日祝日も電話・メール相談可能
- 何度でも相談費用が無料
- 初回無料相談可能であり、土日祝日も対応
- 相続や離婚に関する相談もOK
- 刑事事件や民事事件の取り扱いもあり
東京ロータス法律事務所は、幅広く法律問題の相談ができる事務所です。
初回の相談は無料であり、土日祝日も対応しています。
過払い金の請求はもちろん、相続や離婚、刑事や民事の相談も可能です。
幅広い法律問題に対応しているため、過払い金以外の相談がある方はあわせて依頼できます。
過払い金請求にかかる費用は回収額の22%の成功報酬ですが、訴訟の場合は回収額の27.5%の他、訴訟費用と出廷日当がかかります。
アディーレ法律事務所
- 知名度が高く安心して依頼できる
- 相談は何度でも無料
- 弁護士費用の分割払いや成功報酬の後払いOK
アディーレ法律事務所は知名度が高く、信頼して依頼できる事務所のひとつです。
実績も豊富であり、多くの過払い金返還請求を成功させています。
相談は何度でも無料であり、弁護士費用の分割払いや成功報酬の後払いが可能です。
基本費用66,000円(税込)に、成功報酬として過払い金の22%を支払います。
なお、訴訟をした場合は基本費用と過払い金の27.5%の成功報酬がかかります。
弁護士法人・響
- わかりやすい費用形態で安心
- 豊富な実績とノウハウを持っている
- 交通事故やB型肝炎など幅広い業務に対応
弁護士法人・響は、わかりやすい費用形態で安心して依頼できる弁護士事務所です。
豊富な実績とノウハウがあるほか、過払い金請求のほかにもさまざまな訴訟問題に対応しています。
丁寧に相談に乗ってもらえ、質問にも明確に回答してくれる事務所です。
過払い金の請求は解決報酬金22,000円(税込)のほか、返還額の22%、訴訟の場合は27.5%の成功報酬の支払いとなります。
弁護士法人ユア・エース
- 専門チームが迅速に対応
- 一人一人に寄り添った丁寧な対応
- 債務整理をメインに、交通事故などの法律問題にも対応
弁護士法人ユア・ユースは、依頼主の相談内容に応じて専門チームが迅速に対応します。
相談者に寄り添った丁寧な対応に安心感があり、信頼できる事務所です。
過払い金返還請求は着手金無料、成功報酬は返還額の22%、訴訟の場合は27.5%です。
依頼主の満足感を最優先として、最高の成果にこだわり続けています。
過払い金を請求する流れ

過払い金を請求する主な流れは、次のとおりです。
- 貸金業者から取引履歴を取り寄せる
- 引き直し計算
- 過払い金返還請求書の発送
- 任意交渉
- 過払い金返還請求の裁判
- 過払い金の返還
個人で請求手続きをする場合、裁判以外はすべて自身でおこなう必要があります。
弁護士や司法書士に依頼する場合は、過払い金返還請求にかかるすべての手続きを依頼可能です。
それぞれの詳しい手順について、具体的に解説します。
1:貸金業者から取引履歴を取り寄せる
過払い金の返還請求にあたり、まずは借り入れを受けた貸金業者から取引履歴を取り寄せる必要があります。
正しい取引履歴がなければ返還請求ができないため、最新の状況が記された履歴を取り寄せましょう。
ただし個人からの場合はスムーズに取引履歴の請求手続きができず、弁護士や司法書士に依頼するよりも時間がかかる可能性があります。
2:引き直し計算
取引履歴をもとに、法定金利に引き直して計算します。
引き直し計算をもとに、過払い金の請求金額を算出します。
引き直し計算を誤ると本来戻る金額より少ない請求金額となる可能性があるため、正しく計算しましょう。
3:過払い金返還請求書の発送
請求金額を正しく算出できたら、貸金業者に過払い金返還請求書を送付します。
過払い金返還請求書には、次の内容を記載する必要があります。
- 請求日時 ・貸金業社名(返還請求社名)
- 貸金業社の代表者氏名
- 自身の氏名、住所、電話番号などの個人情報
- 振り込み口座名、口座番号
- 契約番号や会員番号など、借り入れ時の情報
- 引き直し計算後の金額
正しく情報を記載した過払い金返還請求書は、内容証明郵便で送付しましょう。
内容証明郵便は、債務者が貸金業社に過払い金の請求をおこなった事実を証明します。
4:任意交渉
請求書送付後は、貸金業社から連絡があるまで待ちましょう。
貸金業社が返還に応じる場合、返還金額や返還日などの交渉をおこないます。
正しい金額で引き直し計算をしても、個人の請求にそのままの金額で応じる貸金業者はあまりありません。
理由をつけて返還金額を減額しようとする業者も多いため、毅然とした態度で接しましょう。
弁護士や司法書士に依頼する場合は、請求額そのままの金額で応じる業者も比較的多くあります。
5:過払い金返還請求の裁判
任意交渉で和解が成立しない場合、過払い金返還請求の裁判も検討する必要がありません。
過払い金返還請求書に応答がない場合や返還金額の合意が得られない場合、返還を拒否された場合は提訴を検討しましょう。
なお、裁判の場合は司法書士ではなく、弁護士に依頼する必要があります。
6:過払い金の返還
任意交渉もしくは裁判を経て金額が確定した場合、指定口座に過払い金が入金されます。
過払い金返還の請求を弁護士や司法書士に依頼した場合は、成功報酬として入金された過払い金のうち20%〜25%程度を弁護士や司法書士に支払います。
過払い金を請求する際の注意点

過払い金を請求する際の主な注意点は、次のとおりです。
- 時効は完済から10年
- 2010年以前の借り入れにしか発生しない
- 弁護士・司法書士に報酬を払う必要がある
- 全額返還ができない場合もある
過払い金の返還請求ができる期限は完済から10年であり、10年以上経過した借り入れの請求は無効です。
また、出資法改正前のグレーゾーン金利で借り入れをしていたケースのみが対象です。
弁護士や司法書士に依頼する場合は着手金や成功報酬を支払う必要があります。
また、個人での請求でも弁護士や司法書士に依頼しても、全額返金がされない場合もあるため注意が必要です。
それぞれの注意点について、具体的に解説します。
時効は完済から10年
過払い金返還請求の事項は、借り入れ金の完済日から10年間です。
完済日から10年以上経過した場合、返還請求は無効となるため注意しましょう。
過払い金が発生している可能性のある方は、時効になる前に早めに手続きをしましょう。
2010年以前の借り入れにしか発生しない
2010年6月17日に出資法が改正され、過払い金が発生するグレーゾーン金利はなくなりました。
そのため、出資法改正以前の借り入れ金にのみ過払い金が発生します。
改正以降の借り入れにはそもそも過払い金の概念がないため、自身が借り入れを開始した日を確認しましょう。
なお、2010年6月17日までに借り入れ契約をした場合は、現在まで借金返済中であっても過払い金が戻る可能性があります。
弁護士・司法書士に報酬を払う必要がある
弁護士や司法書士に過払い金の返還請求を依頼する場合、次の金銭が発生する場合があります。
- 相談金
- 着手金
- 基本報酬
- 成功報酬
多くの弁護士事務所や司法書士事務所は無料で相談を受け付けていますが、事務所によっては相談が有料の場合もあります。
また、請求に着手する場合は10,000〜20,000円前後の着手金がかかるケースが多いです。
基本報酬は20,000〜30,000円程度、成功報酬は返還金額の20%〜25%程度です。
郵便切手代や収入印紙代、交通費や手数料などは実費で支払う必要があります。
弁護士や司法書士に支払う報酬を含めても、個人での手続きより事務所に依頼する方が手元に残る金額が多くなる可能性が高まります。
全額返還ができない場合もある
正しく引き直し計算をして返還請求をおこなっても、貸金業者が返還に応じず全額返金されないケースもあります。
とくに個人で返還請求する場合、請求した全額の返還は難しいでしょう。
全額返還の可能性を高めるためにも、弁護士事務所や司法書士事務所への依頼がおすすめです。
過払い金の請求に関するよくある質問

過払い金請求に関するよくある質問は、次のとおりです。
- 弁護士や司法書士に相談する際の費用相場は?
- 悪徳弁護士や司法書士事務所の見分け方は?
- 弁護士や司法書士に頼らずに過払い金の請求は可能?
それぞれの質問について、具体的に解説します。
弁護士・司法書士に相談する際の費用相場は?
弁護士や司法書士に相談する場合、支払う金額の内訳は次のとおりです。
- 相談料
- 着手金
- 基本報酬
- 解決報酬
- 成功報酬
- 郵便切手代や収入印紙代などの実費
成功報酬は過払い金の20%~のところが多く、和解や裁判によっても異なります。
そのため、費用相場は借金の金額により変動します。
また、成功報酬以外にかかる費用をまとめると、5~10万円程度が相場です。
悪徳弁護士・司法書士事務所の見分け方は?
依頼する弁護士事務所や司法書士事務所を選ぶ場合は、次の点に注意しましょう。
- 過去に業務停止などの処分を受けたことがないか
- 相談時の態度が丁寧か
- 明確に費用を提示してくれるか
- 費用は適切か
過去に業務停止などの処分を受けたことがある事務所は、信頼度が低いため依頼を避けましょう。
また、相談時の受け答えが雑だったり、明確に答えられなかったりする事務所はおすすめできません。
明確な費用提示や明瞭な回答をしてくれる事務所を選ぶとよいでしょう。
また、費用相場から大きく外れていない適切な費用で業務をおこなっている業者を選びましょう。
相場よりもあまりに高額だったり、反対に安すぎたりする事務所には要注意です。
弁護士・司法書士に頼らずに過払い金の請求は可能?
弁護士や司法書士に依頼せず、個人での過払い金請求も可能です。
ただし過払い金請求には専門的な知識や複雑な手続きが必要になるため、個人での請求は非常に難しいでしょう。
また、個人からの請求には貸金業者も応じにくく、請求金額をそのまま返還された例は稀です。
より多くの金額を変換するためにも、過払い金の返還請求は弁護士や司法書士に依頼しましょう。
まとめ

今回の記事では、過払い金の基本的な仕組みや請求条件、実際に過払い金の無料相談ができる窓口や相談先の選び方について解説しました。
過払い金は出資法と利息制限法が異なっていた2010年6月17日以前の借り入れに発生している可能性があり、10年以内に完済した借り入れ金が対象となります。
過払い金に関する相談は、各自治体の窓口や消費者センター、法テラスや弁護士事務所、司法書士事務所で受け付けています。
相談先や依頼先を選ぶ際は、依頼にかかる費用や対応の丁寧さを重視しましょう。
また、弁護士や司法書士事務所に過払い金について相談するメリット、デメリットのほか、実際におすすめの事務所や請求時の流れ、注意点についてもあわせて解説しました。
弁護士や司法書士に相談すると複雑な手続きを一括で依頼できるほか、個人で請求するよりも返還できる金額が高くなる可能性があります。
過払い金の返還請求を検討している場合は、ぜひ今回紹介した弁護士事務所や司法書士事務所に相談してみてください。
※本記事の情報は2023年8月時点のものです。
※本記事は公開・修正時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。キャンペーンを含む最新情報は各サービスの公式サイトよりご確認ください。
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