アビリオ債権回収から督促状が来た場合の対応方法を徹底解説!時効があるって本当?

アビリオ債権回収株式会社は、国から認可を受け債権回収をおこなう民間の株式会社です。

合法的に金融機関の借金の回収を代理していますが、アビリオの名前や会社の概要を知らない方のなかには、心当たりがないからと連絡を無視するケースも数多く存在します。

しかし、アビリオからの連絡を放置すると、深刻な事態に発展する可能性も否定できません。事態を悪化させないためにも、適切な対応が必要です。

そこで、今回はアビリオから督促状が来た場合の対応方法を徹底解説します。

時効を援用する方法についても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

アビリオ債権回収株式会社とは

はじめに、アビリオ債権回収株式会社の概要を紹介します。

アビリオの名前を聞いたことがない方も少なくないでしょう。

しかし、アビリオは国から認められた債権回収を専門とする会社であり、決して詐欺に使われるような架空の会社名ではありません

次で紹介するアビリオの特徴を十分に理解し、連絡がきた場合は適切な対応を心がけましょう。

国から認可を受け債権回収をおこなう企業

アビリオ債権回収株式会社は、法務大臣から許可を得て設立された、債権回収を専門とする民間の株式会社であり、これらの会社は「サービサー」と呼ばれています。

サービサーの役割は、法律で定められた範囲で、特定金銭債権の譲受回収、または受託回収をおこなうことです。

従来は弁護士にのみ認められていた業務ですが、1999年に「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が施行されてからは、サービサーが債権回収を任される場面が増えてきました。

アビリオから連絡が来た場合は、適切な対応が求められます。聞いたことがない会社名だからと、架空請求や詐欺だと勘違いしないよう注意しましょう。

各金融機関の代理で借金の回収をおこなう

アビリオは、各金融機関を代理して借金の回収をおこないます。

アビリオを含めた第三者であるサービサーが借金の回収をおこなえるのは、「債権譲渡」と呼ばれる仕組みを活用しているためです。

債権譲渡とは、本来の債務者が第三者に対して保有する債権を譲渡してもらうことで、代わりに借金を回収する権利を得る制度を指します。

債権譲渡の制度を利用することで、アビリオは金融機関から債権を譲り受ける形で、正当に借金の回収の代理をすることが可能となります。

債権回収業務は本来、金融機関にとって大きな負担が伴う業務です。一方で、債権には時効が存在し、法律で定められた期間を超えると消滅します

そのため、債権回収業務は軽視できない重要な業務です。これらを専門とするサービサーに債権回収業務を任せることで、金融機関が享受するメリットは非常に大きいといえます。

代理となる金融機関の例

アビリオが代理となる借入先の例として、次の金融機関が挙げられます。

  • SMBCコンシューマーファイナンス
  • 三井住友銀行
  • アットローン
  • 新生フィナンシャル
  • 三井住友カード株式会社
  • オリックス・クレジット
  • シティカード
  • クラヴィス

アビリオはSMBCコンシューマーファイナンスの子会社の位置付けであるため、親会社であるSMBCコンシューマーファイナンスから債権譲渡を受けて借金の回収をおこなう場合が多い傾向があります。

加えて、上記のような金融機関を原債権者とするケースも多く、幅広く債権回収業務を代理しているサービサーといえるでしょう。

アビリオからの連絡方法一覧

何らかの理由でアビリオから連絡が来る場合、連絡方法は次の通りです。

  • 封書
  • ハガキ
  • 電話連絡
  • SMS(ショートメッセージサービス)

アビリオからの連絡手段は、郵便または電話のいずれかの方法ですが、書面での連絡が多い傾向があります

書面の場合、「お電話のお願い」「ご通知」などといったタイトルで送られてくるケースが多いため、アビリオから上記のような郵便物が届いたら、内容を十分に確認しましょう。

また、アビリオは2020年からSMS(ショートメッセージサービス)の送信も開始しています。

アビリオが譲り受けた債権について、連絡をお願いするメッセージの内容であるため、詐欺や架空請求と勘違いしないよう注意しましょう。

アビリオから督促状が届いた場合の対処法

アビリオから督促状が届いた場合は、冷静に内容を確認することが重要です。

焦る気持ちも理解できますが、すぐに連絡をしたり、一部でも返済をおこなったりすると、支払わなくてもよい借金の返済義務が生じてしまいます。

ここでは、アビリオから督促状が届いた場合の対処法を詳しく解説します。実際に直面した場合に焦らず済むよう、十分に理解しておきましょう。

電話やSMSの場合は連絡を返さない

アビリオから電話やSMSで督促が届いた場合、安易に連絡を返すのは禁物です。

借金には時効の概念が存在し、一定期間経過することで返済義務がなくなります。

借金の消滅時効は5年(場合によっては10年)ですが、特定の行為により時効が中断する場合もあるため、一概にはいえません。

アビリオが督促してくる借金には、時効がすでに成立し支払い義務が消滅している場合もあります。

しかし、時効の成立に気づかずアビリオに連絡してしまい、債権を承認するような行為をおこなうと、時効が中断されてしまう可能性は否定できません。

その結果、遅延金が上乗せされた金額を請求されるケースも存在します

そうならないよう、安易にすぐ連絡をせず、まずは対象となる借金の内容を確認しましょう。

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焦ってお金の返済はしない

上で解説したように、アビリオは時効が成立した借金の督促をしてくる場合もあるため、焦ってお金を返済するのは避けましょう

借金の一部返済は、時効の中断事由のひとつです。これにより、支払い義務が消滅した借金を返済する必要が生じてしまいます。

そうならないよう、上で解説したように、まずは該当の借金の時効が成立していないか確認しましょう。

消滅時効の援用ができないか考える

アビリオから督促状が届いた場合、まずは消滅時効の援用の可能性を考えましょう。

時効の援用とは、該当する借金の時効が成立しているため、支払わない意思を示す行為です。

時効の援用を適切におこなうことで、はじめて債権が消滅します。

最後の返済から一定の期間が経過したからといって、自然に借金が消滅するわけではないため注意しましょう。

時効の援用の進め方やポイントについては、次の項目で詳しく解説します。

時効の援用についてのポイント

ここでは、時効の援用についてのポイントを解説します。

時効の援用をおこなう際は、援用の可否の調査や、内容証明の作成手続きが必要となります

弁護士や司法書士への相談が最も安心できる方法ですが、次に説明する流れや進め方は自身も十分に理解しておきましょう。

時効援用可否の確認方法

時効の援用が可能となる条件として、次の3つが挙げられます。

  • 返済日から起算して、5年以上一度も返済をしていないこと
  • 返済日から起算して、5以上債権の承認をしていないこと
  • 裁判を10年以上起こされていないこと

上記のすべての条件を満たした借金であれば、時効の援用が可能です。

ただし、古い借金であればあるほど、正確に起算日からの経過期間を把握しているケースは少ないでしょう。なかには心当たりが全くない場合も存在します。

いつ頃から支払いがされていない借金か調べるためには、信用情報の開示もひとつの方法です。

CICやJICCなどの信用情報機関で情報開示をすることで、時効の援用の可否を知ることができます

情報開示した結果、時効の援用が可能だと判明したら、次の内容証明の作成に進みましょう。

援用可能な場合は内容証明を郵送する

調査の結果、時効の援用が可能であると判明した場合は、時効の援用を主張する旨を記載した「時効援用通知書」を作成し、内容証明郵便にて相手方に郵送しましょう。

時効援用通知書の記載内容として、次のような項目が挙げられます。

  • 日付
  • 該当する債権の債務者、債権者、債権の内容
  • 自身の名前、住所、契約番号
  • 消滅時効を援用する旨

上記の項目は、時効援用通知書として最低限必要であると考えられる内容です。

慎重な方であれば、信用情報の削除や訂正を求める旨の記載や、記載内容について意義があったら申し出て欲しい旨を記載するケースもあります。

時効援用通知書が作成できたら、郵便局で郵送を依頼しましょう。

普通郵便では証拠が残らないため、郵送の際は必ず内容証明郵便を利用する必要があります

内容証明郵便の郵送方法は郵便局の公式サイトに記載されているため、参考にしてみてください。

弁護士や司法書士への相談も検討する

時効の援用に関わる一連の手続きが難しいと感じたら、弁護士や司法書士への相談も検討しましょう。

費用はかかりますが、専門家に依頼することでトラブルを回避し、精度の高い手続きが可能です。

弁護士や司法書士に時効の援用の手続きを依頼する場合、請負可能な業務の内容は次のとおりです。

  • 時効の援用の可否の調査
  • 援用通知書の作成~送付
  • 相手方とのやりとり

知識や経験のない状態でおこなうよりも、上記の専門家に一任した方が、間違った判断や手順を踏むリスクを抑えることができます。

とくに相手方とのやりとりが必要な場合、一歩間違えれば債権の承認と捉えられる行為をする可能性もあるため、予防のためにやりとりを専門家に任せることは賢い判断といえるでしょう。

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アビリオからの督促状に関する注意点

ここからは、アビリオからの督促状に関する注意点を解説します。

アビリオから督促状が届いた場合、対応は慎重に行わなければいけません。対応を誤れば、上で解説した時効の援用が不可能となり、支払い義務が生じる可能性もあります。

次に紹介する2つの注意点を十分に理解し、正しい対応を心がけましょう。

一度でも返済すると時効援用が不可になる恐れがある

アビリオからの督促に応じ一度でも借金を返済すると、債権を承認したとみなされます。

債権の承認行為は時効の中断事由に該当し、そのあとの時効の援用が不可能となるため注意が必要です。

督促が届いても慌てず、該当の借金が最後の返済からどのくらいの期間経過しているかを確認しましょう。

すでに解説したように、特定の期間が経過していれば時効の援用により支払い義務が消滅します。

訴状が届いた場合は適切に対応する

すでに時効が完成している債権でも、裁判所から訴状が届くケースがあります。訴状とは、訴訟を起こすために必要な書面です。

時効が完成しているからと訴状を放置していると、相手方の訴えが認められ差し押さえなどの強制執行を受ける可能性も否定できません。そのため、適切に対応する必要があります。

時効が完成している場合であれば、訴状に同封されている「答弁書」に、時効を援用する旨を記載して裁判所に提出しましょう

これにより、相手方の訴えが取り下げられたら、証拠を残すために上で解説した方法で内容証明郵便を郵送して完了です。

アビリオ債権回収に関するよくある質問

ここでは、アビリオ債権回収に関するよくある質問を解説します。同様の疑問を持った場合の参考にしてみてください。

アビリオは怪しい会社ではない?

アビリオは国から認められた、債権回収をおこなう「サービサー」と呼ばれる会社です。

債権譲渡と呼ばれる仕組みを利用することで金融機関の債権回収業務を代行し、法律に基づいて債務者に督促などをおこないます。

そのため、いきなりアビリオから連絡が来た場合は名前に心当たりがない場合も多く、怪しい会社だと疑うケースも少なくありません。

詐欺や架空請求と勘違いしないよう、内容を十分に確認し、適切に対応しましょう。

弁護士と司法書士どちらに依頼すべき?

アビリオから督促が届いた場合、弁護士と司法書士どちらに依頼すべきか悩む場合は、まずは請負可能な業務の違いを理解しましょう。

弁護士は法律の分野における専門家ですが、司法書士は登記の専門家です。

そのため、依頼を受けて時効の援用を代理する場合は、借金の元金が1社につき140万円以下の制限があります。弁護士への依頼であれば、金額による制限はありません。

一方で、司法書士に依頼した場合は弁護士と比べて費用が安くなる傾向があります

140万円以内の案件であれば、コスト面でメリットがあるといえるでしょう。

お金を返済してしまった場合は手遅れ?

時効完成後に借金を返済してしまった場合、債権の承認とみなされ時効の中断事由に該当し、基本的にはそのあとの時効の援用が不可能となります。

しかし、過去の判例をみてみると、返済がなされた後に時効の援用が認められたケースも存在するため、一概に不可能とはいえません。

ただし、上記のような事例はあくまでレアケースであり、特別な事情が存在した場合に限り認められていることを理解する必要があります。

原則として、一度でも返済すると時効の援用は難しいと思うべきでしょう

まとめ

今回は、アビリオから督促状が来た場合の対応方法や注意点、時効の援用の概念などを解説しました。

アビリオから督促が来た場合、時効の中断事由とならないよう、対応は慎重におこなう必要があります。

正しく対応できる自信がなければ、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、手続きや相手方とのやり取りを代行してもらうこともひとつの方法です。

実際にアビリオから連絡が来て悩んでいる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

<参考>
アビリオ

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